|
||
|
大河ドラマ「龍馬伝」が人気を集め、またまた幕末、龍馬に感心が高まる昨今、多くのファンが放送を希望した、いわば伝説の作品が、この「竜馬におまかせ!」である。 その伝説その1は、人気脚本家・三谷幸喜の連続時代劇作品であること。「幕末好き」を公言する脚本家は、後に大河ドラマ「新選組!」を執筆することになるが、このドラマですでに新撰組を描いていた。 伝説その2は、キャスティング。主人公の竜馬にダウンタウンの浜田雅功。土佐出身の人物なのに、なぜか浜田竜馬はいつもの関西弁。それを清河八郎(西村雅彦)に「なんで」と突っ込まれたりする。彼らをリードする勝海舟が内藤剛志、千葉道場の主・定吉に伊東四朗、重太郎の別所哲也、さなに緒川たまき、岡田以蔵に反町隆史。浜田の相棒・松本人志が、ちらっとカメオ出演しているのも話題になった。 伝説その3はハチャメチャストーリー。異国を打ち払うことなど無謀だと、将軍にわからせるために、勝、竜馬が仕組んだのは、なんと江戸城でのジャズセッション! こんな音楽がある国と戦っても勝てないと諭そうとするが…。最終回、歴史の渦に巻き込まれた竜馬らの最期がしっかり描かれる、と思ったら、またまた大逆転? 三谷マジックを存分に楽しめる「フィクション」時代劇。 「竜馬におまかせ!」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
|
||
|
時代劇には、独自のファッション感覚のヒーローが数多く登場しているが、この「まだら頭巾」は、そのセンスといい、目立ち具合といい、トップクラスといっていい。まず、名前のまだら頭巾は、微妙に大きさの違う水玉、今流にいえばドットで、頭を覆う頭巾だけでなく、さらりと首のあたりまで長くたれ、ショールのような軽やかさ。さらに同じドット柄の帯と、よく見れば、足袋までドット!さらに、得意の「二刀流」も左手には黒鞘、右手には白鞘と、モノトーンアイテムで敵に迫る。一度見たら忘れられない正義の味方なのである。しかも、その正体は意外! 物語は、老中田沼意次が専横を極めた時代。狩りに出た将軍・家治が短筒で狙われるという事件が発生。そこに鈴の音を鳴らし、白馬にまたがった剣士が現れる。彼こそが、神出鬼没の疾風竜之介、人呼んで「まだら頭巾」。彼の念願は、田沼らを上様の側から排除することにあった。キリシタンの汚名を着せられて死んだ父君の敵討ちを狙う菊姫(山鳩くるみ)、調子のいい遊び人とんびの小太郎(中村賀津雄)らが入り乱れての大事件をまだら頭巾がどう裁くか。近衛の愛息・目黒裕樹(現・祐樹)が、ませた少年・霞小僧役で出ているのも注目。敵方の剣士・月形龍之介との大風の中の立ち回りも迫力いっぱいだ。 「まだら頭巾剣を抜けば 乱れ白菊」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
|
||
|
俵星玄蕃といえば、三波春夫の浪曲歌謡でもおなじみ。槍名人で、赤穂浪士の討ち入りの際には、体を張って、彼らを邪魔するやつらを追い払ったという豪傑だ。 しかし、この作品で描かれる玄蕃は、正義の味方というよりは、人生の迷った一匹狼。そもそも膳所藩にいた玄蕃は、主君から藩内きっての美女との縁談を勧められたが、拒否する変わり者。しかも、酒で不祥事を起こして、藩から飛び出し、江戸で道場を開く。しかし、生来の酒飲みで門人に酒屋への使いまで頼み、道場はどんどん不人気に。ついには、門人がゼロになり、やくざ者に賭博場として貸し出す始末だ。おまけに美人の姐さんにもてもて。そこに故郷から、嫁さん候補の美人が現れて、ほとほと困ったことになる。 豪快すぎてダメな男・玄蕃を、近衛十四郎は、適当に応援しながらも深入りはしない。 そして、ついに赤穂浪士討ち入り日。玄蕃は、雪の中に飛び出した! 近衛十四郎は、マネのできない豪快な立ち回りを披露。「毎日酒一升!」と言って、暴れまわる。千鳥足の演技も抜群。それにしても、玄蕃は、剣の腕は一流だが、生活態度は悪役の面々並みに荒れ放題。しかし、どこか憎めないのは、近衛十四郎らしさともいえる。 なお、主君・本多内膳正役は、先ごろ亡くなった藤田まことさんの父・藤間林太郎。 「元禄名槍伝 豪快一代男」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
|
||
|
疾走する馬の首の骨を一刀両断したという謎の秘剣「馬の骨」。その唯一の遣い手はいったい誰なのか。その秘密を探るため、江戸から北国の小藩にひとりの剣士・石橋銀次郎(内野聖陽)が現れる。銀次郎は、六人の剣士と立ち会うことになる。その六人とは、「馬の骨」を編み出した初代が作り上げた道場の三代目(小市慢太郎)、徹底的に相手の剣を受けてスキを狙う「受けの沖山」(六平直政)、バカ力の「豪腕」内藤(本田博太郎)、籠手打ち名人の長坂(尾美としのり)など、特徴のある面々。果たして、その中に「馬の骨」の遣い手はいるのか。それはどんな剣なのか。 面白いのは、銀次郎のキャラクター。何事にもとことんのめりこみ、人の迷惑かえりみず、強引に立会いを仕掛けて体当たり。おまけにマザコン!? 同じ藤沢作品の名作「蝉しぐれ」で折り目正しい青年武士を演じた内野がまったく違うキャラに挑んでいるのもみどころのひとつ。また、戦いのたびに、CGを駆使して真横から見せるなど、それぞれの剣を今までにない映像で表現するのも面白い。 脚本はNHK朝ドラマ「ゲゲゲの女房」でしみじみと懐かしい世界を描く山本むつみ。 終盤、銀次郎が「馬の骨」を探す本当の意味が見えてくる。この剣で、六年前に家老が暗殺された事件の真相とは。銀次郎の伯父で、藩筆頭家老(近藤正臣)の怪演にも注目。 「秘太刀馬の骨」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
|
||
|
剣の名手の素浪人・月影兵庫(近衛十四郎)と、一本気な渡世人・焼津の半次(品川隆二)が、旅の先々で事件に遭遇。弱い者たちのために戦う痛快時代劇。1965年に放送されるや、ふたりの面白すぎる掛け合いが評判となって、ぐんぐん視聴率が上昇。老若男女の心をつかんだ。ドラマのサブタイトルも、第一話「浅間は怒っていた」、第二話「風は知っていた」とシビアだが、次第にコメディ要素が強くなり、52話「財布の紐がゆるんでた」66話「おヘソが苦労の種だった」、106話「一人残らず臭かった」、114話「生まれた時から酔っていた」などに発展。このタイトルも楽しみにしているファンが増えた。 その記念すべき第一話では、旅行く兵庫が、追われるお姫様(弓恵子)を救出。とっさの判断で、村娘に変装させて山越えをはかるが、兵庫を悪人と勘違いした半次が間に入ってきて、騒動に。半次が「おらあ、曲がったことが大嫌いで、ドスも煙管の雁首も真っ直ぐだ!」と見せた煙管が本当に一直線。芸が細かい。第二話では、山小屋で凶悪犯たちに人質にされ、緊迫ムード満点。ゲストの茶川一郎が役者くずれの悪を演じて、味を出す。このほか、大原麗子、吉行和子、坂口佑三郎(仮面の忍者赤影)、左卜全、島田順司など毎回多彩なゲストが登場。♪まえぶれもなく~と伸びやかな歌声を聞かせる北島三郎の主題歌もいい。 「素浪人 月影兵庫」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
※以下のリストから過去の連載記事がご覧いただけます。
| 50音順リスト | [あ行] [か行] [さ行] [た行] [な行] [は行] [ま行] [や行] [ら行] [わ行] |
![]() |
1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。 映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は“ペリーテイスト”を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。 |

