幕末の動乱。庶民のピンチに愛馬ハクセツを駆って、颯爽と登場する、天下のヒーロー、怪傑黒頭巾! 戦前から少年少女に親しまれた正義の味方を、若山富三郎がキリッと見せる。乱れた世に乗じた強盗浪人、悪徳役人との対決。長屋の人情。痛快時代劇のすべてがあるといってもいい番組だ。どこからともなく現れる黒頭巾は後に登場するたくさんのヒーローたちの手本にもなった。主演の若山富三郎は珍しくひとり三役に挑む。二宮さよ子、加藤嘉、岸田森ほか共演者もクセ者そろいで、お楽しみ。 若山富三郎は、テレビ時代劇では昭和48年の「唖侍・鬼一法眼」(チャンネルに放送を希望するリクエストが多数寄せられているらしいぞ)や、昭和50年の「賞金稼ぎ」(ライフルは撃つわ、ショットガンはぶっ放すわ、おまけに馬にまたがりやってくる様はまんま西部劇)、映画では「子連れ狼・子貸し腕貸しつかまつる」などに主演。明朗な時代劇より、ワイルド系のイメージが強い。その意味では「怪傑黒頭巾」は、すごく明るい感じ。現代劇での、貫禄を生かした味のある役と見比べるのも一興かも。ペリー的には、弟の勝新太郎との共演作もじっくり見たいところだ。
( 2000年08月29日 産経新聞掲載分に加筆 ) |