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上州国定村の馬子・忠治は、悪政と凶作に腹を立て、やくざの道に入る。運も手伝って親分格になるが、自分勝手な理由から他の親分を斬ってしまう。さらには、百姓の味方をしたつもりが裏切られ、追い詰められる忠治…。 辰巳柳太郎が舞台での当たり役を人間くさく熱演。島田正吾はじめ新国劇の役者が総出演の大活劇。やくざの裏表、人の弱さにも迫る新鮮さがある。 「国定忠治」といえば、 “赤城の山も今宵限り…” のキメゼリフが有名だが、この作品にはその場面はない。そのかわりに“そうだべ、そうだべ” “ばかたれめ” を連発し、勝手に人を斬ったり、友人の妻である初恋の女に乱暴をはたらく横暴なヤクザぶりを見せつけている。辰巳柳太郎は、田舎の暴れん坊をハイテンションで演じていて、シブさが光る島田との対比がいい。一時は百姓から、生き神様とまで言われながら最後は無視されるヤクザの哀しさなど、見どころの多い作品。 ( 2000年11月27日 産経新聞掲載分に加筆 ) |
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