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司馬遼太郎の原作を木下恵介が演出、山田太一が脚本を執筆した。このコンビで面白くないわけがない。 幕末の大坂で、商家の丁稚から日本一の侠客になった明石家万七の、破天荒で愉快な半生を描く痛快作。けったいな暴れん坊、万七に林隆三、ストーリーテラーの美人芸者に藤村志保、子供賭博の胴元に白木みのるなど、芸達者が熱演している。専門チャンネルならではのお宝時代劇。 ちなみに“俄”とは、辻辻で演じられる即興喜劇のこと(もともとは即興の意味で、今でも“俄か仕立て”とか“俄か仕込み”は言うでしょ)。万吉の人生が、俄芝居にたとえられている。父親に捨てられ、母と妹を守るために丁稚を辞め、子供ながらに博打(子供博打っていうのがまたスゴイ)の金に目をつける万吉。悲惨なのにどこか笑ってしまうユーモア、銭に対する嗅覚やガッツはさすが大坂というカンジで、江戸を舞台にした時代劇とはひと味違うどろ臭さがいい。制作は1970年っつうことで、なんと「クイズハンター」の柳生博が若だんな役!当時は「木下恵介・人間の歌」という枠で放送された。ストーリーテラーの藤村志保のきりっとした美しさも光る。 ( 2001年01月22日 産経新聞掲載分に加筆 ) |
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