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盲目の鍼医杉の市は、強請、乱暴、人殺しと悪の限りを尽くして金を貯め、ついには師匠をも殺害して検校の地位まで上りつめる。 勝新太郎が二枚目から脱皮し、後に「座頭市」へと発展させたダーティー・ヒーローの原点がこの作品なのだ。名伯楽の森一生がモノクロ画面いっぱいに悪のムードを漂わせる。可憐な中村玉緒、苦みばしった阿部徹ら共演陣にも注目。 本作は、勝新にとって73本目の出演作。それまでいわゆる“白塗りの二枚目”(見ればそれなりにきれいなのだが、『座頭市』を見慣れた者には、やっぱ違和感があるのよね〜。ペリー的にもそうなのだ)で、今ひとつ伸び悩んでいたのが、このギラギラした悪漢役で思い切った演技と役柄に開眼。宇野信夫の原作の面白さもあいまって、欲に溺れ、悲劇を迎える男から目が離せない。勝新も、この作品はお気に入りで、晩年、自ら脚本、演出をこなし舞台で上演しているほどなのだ。 ( 2001年02月06日 産経新聞掲載分に加筆 ) |
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