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ペリーのちょんまげ

「帰ってきた木枯らし紋次郎」二十年分の渋みを加えた敦夫紋次郎。岸部一徳、鈴木京香も共演の長編。
(かえってきたこがらしもんじろう)
掲載日2002年02月15日
   上州新田郡三日月村に生まれた天蓋孤独の渡世人、人呼んで木枯し紋次郎。かつては口には長い爪楊枝が目印の、腕のたつ旅人だった。その紋次郎が五年前、壮絶な戦いの末に木曽川の谷底に消えた。てっきり死んだと思っていた紋次郎が、実は木こりの頭に助けられ、木曽山中で木こりとして生きていた!
 谷底に転落、実は生存というパターンは少なくないが、その後、木こりになっていたとは...。テレビ初登場(72年)から二十年以上もたって「帰ってきた」中山敦夫紋次郎。刻み込まれたしわや貫禄は、リアルで渋い。
 定職を得、ひとつところに落ちついたのも束の間、木こりの頭の息子が渡世人になって悪事に加担。連れ戻して欲しいと頼まれた紋次郎は、再び渡世の道へ舞い戻るハメに...。
 以前も長患いをして、そこに腰を落ちつけるのかと思ったら、やっぱり旅に出た紋次郎の話があった。その時も今回も新品がないわけでもないのに、結局、いつもの破れ三度笠と汚れ縞合羽を選ぶ紋次郎。彼なりのコーディネイトでないと落ちつかないのか、それともジンクスなのか。実は時代劇の主役の中でも密かに衣服にこだわる男なのである。
 市川崑演出は、若くはない紋次郎の悲しみまでも画面に出し、泣ける。岸部一徳、鈴木京香、加藤武、石橋蓮司ら共演者もいい味、股旅好きにはたまらない長編。 ( 書き下ろし )

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