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時代劇俳優にとって「この役ができたら一人前」という役のひとつが、大石内蔵助。昼行灯と言われながらも、鋭い洞察力と、統率力で配下を引っ張り、見事仇討ちを果たす。 その実行力や華やかな魅力は、時代劇というジャンルの大スターという感じだ。 萬屋錦之介は、名監督・沢島忠に「45歳になったら必ず大石内蔵助をやります。その時は監督を」と頼んでいたという。以来、二十数年の年月を経て、念願成就。この作品で錦之介は、舞台、映画、テレビすべてで内蔵助を演じたことになるという。 原作は大佛次郎。この物語にはいろいろな解釈があるが、ここでは、大石内蔵助と吉良方の家老・千坂兵部の千恵比べに重点が置かれている。テレビ朝日の開局20周年記念作だけに、キャストは豪華。内蔵助の妻りくには、錦之介の「破れ新九郎」でも息の合うところを見せた岸田今日子。四十七士に影のようにつきまとう蜘蛛の陣十郎に長門勇。さらに時代劇スターとして人気急上昇中の松平健。そして「フン!」とへの字口で憎々しい吉良上野介を演ずるのは、小沢栄太郎。テレビの歴代吉良役の中でも、トップクラスの意地悪ジジ様の名演技。毎回楽しませてくれる。さまざまなエピソードをじっくり描けるのは、テレビ長期シリーズの特権。これで「赤穂浪士」の新たな面白さが発見できるはず。 ( 書き下ろし ) |
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