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ペリーのちょんまげ

「木枯し紋次郎」原作者・笹沢左保さん逝く!作者が最期まで大切にした主人公の生き方が胸に染みる。
(こがらしもんじろう) 出演:中村敦夫 ほか 1972年
掲載日2002年10月25日
   10月21日、「木枯し紋次郎」の作者・笹沢左保氏が、肝細胞ガンで亡くなった。60年に「招かれざる客」で江戸川乱歩賞次席でデビュー以来、四十年余りの作家生活。ガンがわかっても通院しながら執筆を続けるという、紋次郎の産みの親らしい、強い意思の人であった。享年71歳。
 生前、紋次郎シリーズの執筆風景が紹介されたが、そのこだわりぶりはすごがった。まず、街道の地図を詳細に調べ、その風景や気候を考える。紋次郎の足の速さと、街道の道のりを計算して、一日にどれほど進み、どこでどんな人と出会うかを想像していく。ペンより先にその手にあるのは、地図にあてて図る物差しである。緻密な構成と丁寧な描写は、この辺りからきているのであった。
 テレビ画面でも笹沢原作の通り、中村敦夫の紋次郎は、ぼろ雑巾のような旅装束の渡世人で無口で無愛想。ただし、原作でもテレビでも路銀を落として、飢えた挙げ句、預かり金で博打をするなど、ストイックというよりは、時には失敗もする人間臭い一面を見せたりする。そして、元俳優志望の作者も、一度だけ自ら「紋次郎」に出演。選んだ役は国定中治だったという。ガンと戦ったタフな作家というようりは、シャイでお茶目な人だったのかもしれない。新作が出ないのはさびしいが、せめて画面で紋次郎に会おう。合掌。 ( 書き下ろし )

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