その昔、里見家には、静(薬師丸ひろ子)という美しい姫君がいた。が、平和な月日は束の間、かつて里見家に滅ぼされた蟇田一族が、悪霊「御霊様」の力で妖怪集団として蘇り、里見家を襲う。ひとり難を逃れた静姫は、犬山道節(千葉真一)、犬村大角(寺田農)ら「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの文字が刻まれた霊玉を持つ犬士とともに、戦うことを決意。しかし、心の中には、犬江新兵衛(真田広之)への思いが・・・。
ご存じ「南房里見八犬伝」をベースに、妖怪たちと千葉真一以下アクション八犬士との大勝負。監督・深作欣二は、特殊メイクやミニチュアワークなど日本伝統の特撮技術を駆使して、伝奇ロマンの世界を見せる。森で狙われ、洞窟は崩れといったピンチの連続でも、静と新兵衛の恋物語にこだわったのは、やはり脚本の鎌田敏夫風味というところ。ふたりの幸せを願う犬山道節たちのラストは壮絶だ。壮絶といえば、不老不死妖怪蟇田の首領・素藤(目黒祐樹)とその母・玉梓(夏木マリ)のメイクもすさまじい。監督のこだわりから、妖怪メイクに凝りに凝り、二時間以上かけて恐ろしい顔を作ったため、主役の薬師丸は撮影以外ではふたりに近づくことがなかったという。テレビドラマ「奥様は魔女」でもリアル魔女になりきっていた夏木マリと目黒の妖怪ぶりにもぜひ、注目を。
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