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元禄の大事件といえば、もちろん赤穂浪士の討ち入り。その大評判にすっかり心を奪われた殿様のおかげで、とんでもない事件に巻き込まれたのが、植木職人の由松(堺正章)だった。足軽又助(秋野太作)に父親を斬られたばっかりに「では、仇討ちを」と、無理やり武士にされ、剣術修行に江戸まで派遣されることになったのだ。おっちょこちょいの由松に、もとより仇討ちできる力などなさそうなものなのに、周囲の面目やら見栄やらでどんどん引っ込みがつかなくなる。おまけに江戸へ向かう道中で知り合った女・お鳶(山口果林)と、又助の思い人・お花(音無真喜子)は姉妹という複雑な事態に。 かつて大河内伝次郎が演じた名作を、堺正章が体当たりで熱演。ラビット関根、小堺一機ら、当時の若手を相手に、得意のコミカルな演技で笑わせながらも、武士の世界の矛盾や見栄を痛烈に描きだす。必殺シリーズなどでも知られる秋野太作だが、思わぬ仇討ちに困惑しつつ、いい味を見せる。共演には、現在、不思議な存在感で再び脚光を浴びている森下愛子も登場。初々しい娘姿を見せる。 この長編は、役者としての堺正章にとって大きなものとなり、後に舞台でも上演。悲劇の部分も多い原作を、舞台では、からっと明るく仕上げた展開は、マチャアキ座長ならではかも。 ( 書き下ろし ) |
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