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下々の者は飢えているというのに、毎夜鯛やヒラメの舞踊り状態の平安貴族の館。その中でももっとも権勢をふるっていたのは、堀川の大殿(中村錦之助)だった。ある日、大殿は当代きっての天才絵師・良秀(仲代達矢)に、無量寺院の壁面に「極楽を描いてみよ」と依頼する。しかし、「私はこの目で見たものしか描けません」という超写実派の良秀は、極楽絵を拒否。お互いのプライドがぶつかりあい一歩も譲らないふたり・・・。 だいたいいつも思い詰めたような顔をした仲代先生に「極楽」が描けると思う方が無理なのである。が、懲りない大殿は、たまたま迷い込んだ良秀の愛娘・良香(内藤洋子)を自分のものにしてしまう。怒り心頭の良秀を「フフン」鼻であしらう白塗り貴族の錦之助の厭味な態度!ある意味、新しい芸風を見せた錦之助だ。 「ならば地獄絵を描け」と言われた良秀は、「この目で見なくては」といつもの癖で、弟子を鎖で縛って大量のヘビに責めさせたりするが、まだ描けない。ついに「大殿を乗せた牛車に火をつけて灼熱地獄を見せてくれ」と言いだす。なんとその気になった大殿が用意した牛車に乗っていたのは、なんと良香だった・・・。ああ、恐ろしや恐ろしや。もはや悪霊なのか本人なのか、仲代先生からは悪気がプンプン!「人生は地獄より地獄的」とは芥川先生のお言葉。おっしゃる通り!! ( 書き下ろし ) |
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