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時は織田信長がその才気を発揮しはじめた頃、堺の豪商・今井宗久の奉公人で、見るからに元気のいい青年・助左は、船乗りになって、異国に出ることが夢。やがて、彼は後に日本と南海を股にかける貿易商人・呂宋(るそん)助左衛門になるのだった。 NHK大河ドラマ16作目となった「黄金の日日」は、とにかく型破りだった。まず、武将でも政治家でもない人物にスポットを当て、戦や陰謀よりも、経済や流通といった面から歴史の流れを描く、原作の城山三郎と脚本の市川森一・長坂秀佳が協力してドラマを作り上げるというのも初の試みだった。 その主役は、先代の市川染五郎(現・松本幸四郎)。私は以前、歌舞伎座の楽屋で、ご本人にこの作品について話を伺った。歌舞伎俳優にとって、一年舞台を休み、ドラマに賭けるというのは大きな決心のいること。それを決意させたのはチャレンジ精神と、魅力的なストーリーであった。やるからには凝り性で、自ら衣装に使う異国風の布を用意するなど、意気込みは大きかったという。 スケールの大きな展開と斬新な視点。石川五右衛門役の根津甚八、善住坊役の川谷拓三も人気で、五右衛門にはファンから助命の願いが出たほどだった。栗原小巻、名取裕子、夏目雅子らきれいどころも揃い、今も大河ドラマ史上屈指の名作といわれるのも納得。 ( 書き下ろし ) |
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