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「忠臣蔵」といえば、吉良上野介の浅野内匠頭への執拗な嫌がらせ、殿中刃傷事件、庭先での切腹シーンなどなど、定番場面が続くのが普通だが、本作は、ひと味違う角度から、突然の大事件に巻き込まれた大石内蔵助の行動、生き方、家族とのふれあいを描いていく。04年10月明治座公演が早くも登場。 主演は、里見浩太朗。ご本人は、「大石内蔵助は、俳優の年齢、キャリア、作品製作のタイミングがぴったりあって、初めてやらせていただける大役。時代劇俳優にとって、あこがれの役」と言い切る。その里見作品としては、テレビ・舞台を含めて、六回目の内蔵助。最近は、水戸黄門でシルバー世代の代表も務めるベテランではあるが、内蔵助は最も大切にしている役のひとつといえる。 私もこの公演は見たが、こんな忠臣蔵もあるのかと正直びっくりした。有名シーンの連続というよりは、おとなの心情をじっくり描かれた構成にぐっとくる。特に愛妻りく(酒井和歌子)との心のふれあい、別れのシーンではハンカチを持ち出す観客も多数。時代らしさを大事にしたセリフも美しい。この舞台を見ることなく急逝した脚本家・杉山義法の力が凝縮された感じがする。 山下規介、中村繁之の元気のよさ、丹阿弥谷津子、新橋耐子らベテラン女優の味もさすが。舞台ならではの贅沢な忠臣蔵だ。 ( 書き下ろし ) |
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