将軍様の御典医になれるほどの腕を持った小山慶斎(森繁久弥)だが、たまたま旅の途中で庶民に疫病が蔓延しているのを目撃。上様よりも下々のために働こうと決心した彼は、そのまま宿場にいついてしまう。以来、15年。名医として慕われる慶斎は、貧しい者からは、「どぶろくいっぱい持って来い」で集金終了。そんな彼の楽しみは、なんと美人妻(原節子)の趣味「博打」につきあうことだった。妻が負けると、身ぐるみはがされ、ついたあだ名が「ふんどし医者」。でも、時代は幕末から明治になり、自分の技術が時代遅れになっていることに気づかされる…。
あの伝説の美女が、博打場で「半でございます」「あなた、負けてしまいました…」などと不思議なテンションで博打を打つ姿は、なかなかの見もの。また、ただの喜劇かと思ったら大間違いで、時代についていけなくなった男の悲しみ、無知な庶民のパニックの恐ろしさなど、社会性も存分に織り込まれている。明治の世になると、「裸で歩いては困ります」と警官に注意までされ、トレードマークのふんどしの存在も危うし!慶斎の親友でエリート医師の山村聡、ヤクザから医師に転身する夏木陽介、彼の恋人・江利チエミ、親分役の志村喬もいい味だしてます。もちろん、最後の最後まで美人妻の動きにもどうぞ注目を!
( 書き下ろし ) |