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神田三河町で近頃売り出し中の岡引といえば、半七親分。かつてはちょっとした暴れん坊で、人を泣かせたこともあったが、女房の父親の後をついで、今は四人の手下とともに、江戸の悪と戦っている。その半七の周囲で起こる奇怪な事件の数々。からくり、怪談、暗号、半七シリーズの面白さは、その謎解きにある。 主演は真田広之。これまで「半七」といえば、貫禄のある“親分さん”のイメージだったが、この半七は、33歳で男やもめ。十手はいつも懐にしまったままで、羽織も着ない。パッと見は、江戸遊び人か職人のようなイメージだ。私は、収録当時、ご本人を取材したことがあったが、そのスタイルには、かなりこだわったという。十手をちらつかせての権威的な聞き込みはしない、目立たない着物で、身軽でいつでも悪人を追えるような服装にする。撮影は連日深夜に及び、これもこだわってわざわざ選んだ短い十手で立ち回りをする半七親分の手は傷だらけだった。 人間としても未完成で、ベテランの手下たちに文句を言われたりする半七だが、ふと見せる憂いの表情は実に色っぽい!奥田民生の切ない歌声が響くエンディングもとても印象的。共演者もクセ者が多いが、中でも動きは鈍いが心優しい手下のひとり、阿藤海の動きには、ぜひ、ご注目を。 ( 書き下ろし ) |
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