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昼間は「天命堂」という手相見で、虫眼鏡で自分の手相を見ながら、「あー、われながらいい相をしている」などとのんきな商売をしている若山富三郎。またひとつの顔は、「榊原のだんな」として、人々(特に女子)に頼りにされる存在なのだった。 時は幕末。動乱の中、江戸には混乱に乗じて金品を強奪する悪人も増加している。その凶悪な連中をひそかに退治している正義の人こそ、快傑黒頭巾。奪還した庶民の金を前にして、「役人よ、取るな、(持ち主に)返せよ」などと役人批判も見せる痛快な活躍を見せる。それにしても、役人が追っかけるべきなのは、黒頭巾じゃなくて、強盗団の方では? 江戸の治安がますます心配だ。 もちろん、黒頭巾の素顔は、やっぱり若山富三郎! 戦前から愛される時代劇らしい時代劇のヒーロー快傑黒頭巾を、のびのびと演じる若山先生には、とぼけたユーモアもにじみでて楽しい。 今回は、江戸城にある七つの隠し口を巡って、善悪入り乱れての捜索が続く。べらんめえの知識人・勝海舟の西村晃、どっしり感のある西郷隆盛の金田龍之介、テンションの高い親王の石橋蓮司など、幕末らしいキャストも揃う。船宿の女将(二宮さよ子)にほれられて、榊原のだんなは、ついに居候に? 正義の味方の意外な私生活も興味深い。 ( 書き下ろし ) |
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