|
||
|
舞台は阿波の国。商売がうまくいかず、ついに今夜は夜逃げ…という大和屋茂右衛門は、みんなに追われ、あわや狸汁にされそうになっている一匹の狸・小松島の金長(黒川弥太郎)を助けた。義理堅い金長は、大和屋の丁稚に乗り移り、店の商売を建て直す…とここまでなら、「狸の恩返し物語」かと思うところだが、そうはいかない。 なんと、この金長、次は狸の世界で修行を開始するのだ。度胸試しのために、首ひょろひょろの妖怪と遭遇したり、ほれられたお姫様を巡って恋の鞘当はあるわ、これって、妖怪映画なの? ひょっとしてラブストーリー!? そうこうするうちに、今度は「魍魎の一巻」というお宝の争奪戦が始まり、なんだかかんだと川原で大出入りになってしまうという、まるで狸に化かされているようなこの展開。「人情」「恋物語」「冒険」「股旅」、映画の要素をすべてごった煮(ひょっとして狸汁?)にしてしまったような、なんでもありのすごい内容なのである。 しかし、狸映画のいいところは、腹鼓ひとつで槍が出ようが鉄砲が出ようが、文句が言えないゆるい明るさ。そして、最後はみんなで阿波踊りを歌って踊って、めでたし、めでたし。暗いニュースが多い昨今、狸映画の偉大さに改めて気づく方も多いはず。大まじめに狸を熱演する黒川弥太郎にも注目。 ( 書き下ろし ) |
※以下のリストから過去の連載記事がご覧いただけます。
| 50音順リスト | [あ行] [か行] [さ行] [た行] [な行] [は行] [ま行] [や行] [ら行] [わ行] |
