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中村梅之助といえば、テレビの「遠山の金さん」や「伝七捕物帳」の伝七親分として親しまれたベテランだが、今回は、笹沢佐保作のアクション時代劇に挑戦。暗い過去をひきずり、闇の中に生きる男を演じている。 料理屋春駒の板さん源太(梅之助)は、ふだんは気のいい男のようだが、どこかにかげりがあった。実は、岡っ引き文次郎(織本順吉)の隠れ下っ引きで、事件の裏にうごめく悪人を密かに探っていたのだ。しかし、源太には、その裏にもうひとつの顔を持っていた。二十年前、両親と妹を殺した通称「さの字」という男に復讐を誓っていたのだ。そこに「左文字小僧」と名乗る盗賊が十五年ぶりに現れたと知らせが。「さの字」の盗賊と聞いて、源太の目はきらりと光る! 注目したいのは、源太を思う春駒の女将お小夜を演じる松尾嘉代。源太のしようとしていることを察し、「さの字だね。さの字のことになると、人が変わっちまうよ」と悲しみながら、でかけていく源太のひげを剃ってやる。おとなの女心をこってりと見せる。多くの時代劇に出演、二時間ドラマでも犯人から探偵まで幅広く演じてきた松尾嘉代だが、こうした“こってり”はマネのできないうまさだ。 また、伝七では見事な十手さばきを見せた梅之助が、ここでは「ダブル匕首」の技を披露。板前と復讐の鬼の顔の使い分けも新鮮。 ( 書き下ろし ) |
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