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ある日、中村主水(藤田まこと)は、医師の日下玄朴(城所英夫)を人殺しと訴える若い女おゆき(吉本真由美)に出会う。しかし、町で名医と評判の玄朴のことを本気で調べる役人はいない。しかし、主水の同僚で地味・まじめ・手柄なしの三拍子揃った同心土田(織本順吉)だけは、玄朴にからんだ訴えに耳を傾け、ふとしたことから玄朴から袖の下を受け取ってしまう。うしろめたさに悩む土田だが、やがて玄朴の裏の顔が…。 お互いダメ同心同士、主水と土田。「正直に生きるって、難しいですねえ」と居酒屋で語り合うシーンには、哀愁が漂う。 当時、必殺には、主水ら宮仕えの悲哀に共感を覚えるサラリーマン層と、仕事人秀(三田村邦彦)を応援する女性層とふたつのファン層があったといわれる。番組中、突然始まる挿入歌「いま走れいま生きる」(作詞・三田村邦彦、作曲・小坂明子)も、女性層に人気。「秀が番組降板」のうわさが流れたときには、5000人分もの署名が集められたという。 ちなみにこの挿入歌は、三田村人気に応えようと、番組プロデューサーが突然本人に「作詞して」と依頼。「えっ」と驚くまもなく「じゃ、この日までに」と締め切りを提案されていたとか。そう考えると「いま走れ、いま生きる」の歌詞には、撮影と締め切りに追われる心境が出ている気がしないでもない。 |
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