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伊賀上野城主・藤堂高敏が36歳で急死し、城内は対応に大わらわ。家督相続のお許しが出なければ、お家の一大事と筆頭家老の藤堂采女(中村梅之助)は、老中への手土産など持参して、江戸へと出発する。藤堂家に祐筆(書記・記録係)として勤務する佐次右衛門(小林薫)は、婿養子で姑に「いつまでも婿養子気分で」と嫌味を言われつつも、のんきに暮らしていた。そんなところに旧友・小澤(三浦浩一)が尋ねてくる。藩内でくすぶる独立運動を心配する小澤を、佐次は「そんな弱気でどうする」となじるが、事態は思わぬ展開に。陰謀の扇動者として小澤が捕らえられたという…。 「三十六歳か…俺も今のうちにやりたいことをやっておこ」と、何をするのかと思えば、義父が持たせた采女への餞別をくすねてみたり、次の家老候補に「身をお忘れなく」とごまをすってみたり。サラリーマン人生は、いつの時代も楽じゃない? 一方で、無実の罪に問われた友を、救えるか、立場を捨てられるか、飄々と生きていた男の必死の思いが胸を打つ。「佐次右衛門、長生きをしろよ、長生きを!!」まじめ人間小澤の絶叫が耳に残る。 管理職の悲哀を出す中村梅之助、妻のやさしさを出す坂口良子、ダメ息子から非情な家老になっていく黒田アーサーなど、意外なキャストの魅力も発見できる隠れた名作。南風洋子の物柔らかなナレーションも秀逸。 |
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