名門に生まれた幕臣・小栗上野介(岸谷五朗)は、遣米使節として渡ったアメリカから帰国。江戸では、開国か攘夷で大騒動が続いていた。アメリカで見聞したことをふまえ、これからは、日本に本格的な造船所が必要だと考えた小栗は、勘定奉行に就任するや、計画を実行に移そうとする。しかし、幕末、疲弊した幕府にそんな余裕はない。小栗は、巧みに上司を操り、奇跡的に費用を捻出。しかし、やり方はかなり強引で、周囲とは始終もめていた。もめてうまく立ち回るどころか、「うーっ!!」と感情を爆発させ、ついには「辞める!!」と言ってしまう小栗。妻の道子(稲森いずみ)は、ため息をつきつつ、「またですか…」。ちなみに小栗は勘定奉行だけで、四回も就任したり、辞めたりしている。才能はあるが、世渡り下手。現代にも通じるなーと感心する。
「船酔いだったが、やらねばならないことがメニーメニーよ」と小栗が言えば、従者(石橋蓮司)が「ハワイはワンダホーでございました」などと応えるやりとりの場面、ちょんまげに洋装など幕末のエリートらしい小栗の日常、ライバル勝海舟(西村雅彦)との友情。短期&損気ながら、どこか人をひきつけた小栗だが、やがて意外な結末に。最期まで造船所を守るために奔走した小栗の生き方と、「広い世界でそちとわしは出会った。それで十分じゃ」という道子への深い愛情にも胸打たれる。
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