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何者かに襲われた女から、いわくありげな革袋を渡された佐々木三冬(新井春美)。その中身は、南蛮渡来の麝香(じゃこう)だった。三冬から事情を打ち明けられた秋山大治郎(加藤剛)は、大掛かりな密貿易の関わりを察知して、父・秋山小兵衛(中村又五郎)に相談。岡っ引きの弥七(近藤洋介)が探索にかかった途端、三冬が行方不明に。抜け荷一味が、証拠の品を取り返すために、誘拐したのであった。三冬を救い出すべく、わずかな手かがりを頼りに、大治郎たちの必死の追跡が始まる。 中村又五郎・加藤剛コンビによる「剣客商売」の長編。原作者・池波正太郎が、又五郎をイメージして、小兵衛のキャラクターを創作したのは、有名な話だが、素顔の又五郎本人もおしゃれで、美味しいものが大好きだとか。加藤剛は、連続シリーズでも山形勲の小兵衛と組んで、大治郎役を好演。「堅物で一本気」な大治郎を定着させた。現代ドラマのイメージが強い新井春美が、フレッシュな三冬に扮し、大治郎とほのかに心を通わせる。 なお、当時の京都は、現在よりロケ可能な地も多く、セットもかなり大掛かり。現在の藤田まこと版は、小兵衛の隠宅の場面がメインだが、加藤剛版では、大治郎の道場も、一軒丸ごと建てて撮影していたという。現在では失われた風景も味わえるという点では、ぜいたくな「剣客」といえるかも。 |
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