嘉永年間。薩摩77万石はお家騒動に揺れていた。現藩主・島津斉興(中村俊一)の側室お由羅(南田洋子)を中心とする保守派武士層と、次期藩主候補で斬新な改革を目指す島津斉彬(津川雅彦)を支持する下級武士一派が対立していたのだ。ある日、斉彬の子が怪死。お由羅の命を受けた牧仲太郎(柳生博)が呪殺の術を使ったらしい。江戸の薩摩藩邸に住む下級武士団の仙波小太郎(勝野洋)は、相棒の益満休之助(西田敏行)と、お由羅の屋敷に潜入、呪いの証拠である泥人形を床下から発見するが、事態は収まらなかった。仙波一家は藩を脱出。母は居酒屋で働きながら情報収拾、妹綱手(夏目雅子)は、お由羅一派の薩摩屋に下女として潜入して敵の動きを探る。もうひとりの妹・深雪(名取裕子)は、お由羅の側近となって、彼女を襲った下級武士を手にかけてしまう。密偵家族と成り果てた仙波一家の哀愁。小太郎の心の支えは、「留学させる」という斉彬の口約束だが…。
変装、密書、呪いの人形とサスペンスいっぱいの展開。西田敏行の冷静なスパイや柳生博の野心家術師、村野武範のインテリな策略家など、芸達者たちの競演もみもの。敵に偽情報を出され、翻弄される夏目雅子の美しいスパイも忘れられない。やっぱり下女としては目立ちすぎ!?原作は直木賞でおなじみの直木三十五「南国太平記」、脚本は市川森一。
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