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主人公の牧文四郎は、東北の小藩の下級武士・牧助左衛門(緒形拳)と登世(原田美枝子)の養子として、剣術と学問に励んでいた。隣家には幼なじみの娘ふくがいて、お互い淡い恋心を抱きつつも、言葉にもできない。そんなとき、藩内の紛争に巻き込まれた助左衛門が切腹。文四郎と母は謀反人の家族として俸禄も落とされ、家も出ることに。やがて藩の江戸屋敷に奉公に出たふくにも、大きな変化が。ふくには藩内の陰謀がふりかかり、命まで狙われる。文四郎は立ち上がる…。 NHKのテレビシリーズで脚本を手がけた黒土三男が自ら監督として豪華キャストで映画化を実現させた話題作。 文四郎の市川染五郎は、決死の闘いの前に「ここにあるたけの刀を!」と叫び、死に直面しても不敵な笑いを見せるなど、「愛するもののためならば死をも恐れぬ」肝のすわった芝居を見せる。特に私的な陰謀のために多くの犠牲者を出した張本人に対して「お黙りめされい!!」と一喝するパワーは、気持ちいいほど。歌舞伎で鍛えた発声はさすがだ。 染五郎と木村佳乃(ふく)コンビのおとなの恋もいいが、少年少女期の甘酸っぱい恋を表現した、少年文四郎(石田卓也)、ふく(佐津川愛美)の初々しい表現も秀逸。吹雪に煙る冬、田の緑がまぶしい夏など、藤沢周平の出身地・山形庄内の四季も美しい。 |
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