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幕末に近い文化・文政の時代。江戸には世の腐敗を見逃せないふたりの男がいた。 ひとりは大目付・一色由良之助(里見浩太朗)。あとひとりは着た町奉行・小笠原能登守(西郷輝彦)である。三千石の旗本ながら庶民的で市井のものとも親しくつきあう由良之助に対して、法の遵守第一の堅物人間小笠原。キャラクターの違いは、当然、悪と戦う術も大きく違う。部下に指示を出し、きっちり捜査を心がける小笠原の横で、なんと、由良之助は自ら「闇奉行」となって、法では裁けぬ悪を成敗してしまうのである! 闇奉行の活動を表立っては認められないものの、内心は命がけの単独活動を見守っている小笠原。一方、由良之助は、ふだんは年下の愛妻きよ(田中好子)とにこにこ暮らし、夜は華麗な闇奉行に。この対照的なふたりの姿が面白い。火野正平、今福将雄ら達者な共演者が脇を固めるのもうれしい。 もちろん、このふたりは「江戸を斬る」シリーズでともに主役を務めたキャリアの持ち主。二大スターの共演が実現した作品だ。私は最近、西郷輝彦ご本人にインタビューする機会があった。こどものころからチャンバラと音楽が大好きで、「江戸を斬る」で時代劇の基本を徹底的に身に着けられたのは、後の俳優活動の大きな宝だったとか。 何気なく鼻歌で「江戸を斬る」のテーマを口ずさんでいただいて、一同感激!であった。 ( 書き下ろし ) |
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