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光源氏の嫡男・薫の君(長谷川一夫)は、父譲りの美貌の持ち主。しかし、愛する大君は亡くなり、失意の底にいた。その大君の弔いの場で、薫の前に飛び出したのは、無邪気な姫・浮舟(山本富士子)だった。野うさぎを追いまわし、素手で耳をつかんでブラブラさせる浮舟。実は浮舟は、大君の異母妹で、大君の弔いのために母(三益愛子)に伴われて、入洛したのだった。翌日、浮舟は、帝の皇子・匂宮(市川雷蔵)の館にもうひとりの姉・中の君(乙羽信子)を訪ねる。次々美女と浮名を流す匂宮は、たちまち浮舟を見初め、館に住むように勧める。一方、薫も浮舟に愛を告げ、微妙な三角関係が生まれる。 厳かな火葬シーンから、突如飛び出すワイルドな浮舟の態度にも驚くが、もっと驚くのは、匂宮の大胆な行動。ねっとり浮舟を見つめたかと思えば、目の前にジェラシー光線を発する中の君がいる館の中で、着替えを手伝う侍女にまで抱きつく始末。 「波のおもむくままに…さては多情の女とみゆる」と勝手に浮舟の性格診断をし、すきを見ていきなり押し倒す。迫りながら「そちはもう男を知っておるのか。悪いことをするのではない。ふふふ」って、それはあんまりやりすぎですよ、皇子! 藤間紫、中村玉緒ら女優陣も充実。雅な中にも愛憎のにおいを漂わせる人間ドラマを味わえる。 ( 書き下ろし ) |
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