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享保12年5月、播磨国宝津(兵庫県御津町)は、恒例のあやめ祭で賑わっていた。加茂神社の舞殿では、華やかな金糸仕立ての衣装を身にまとったお夏(太地喜和子)が。突風に飛ばされたお夏の扇子に、とっさに自分の白扇子を投げて救った水野与一郎(名高達郎)は、以来、彼女のことが気になって仕方ない。本来、遊女が踊る舞をピンチヒッターとはいえ、商家の娘が踊ったことで、お夏は母お志津(渡辺美佐子)から小言を言われるが、もともと京都の公家に奉公して、里帰り中のお夏はケロリとしている。お夏の眼中には、義理の兄十兵衛(中村嘉葎雄)しかなかった。兄が嫁お菊(いしだあゆみ)をもらうのが辛くて奉公に出たお夏。しかし、兄はお菊と別れていた。その事情とは…。 お夏にいきさつを聞かれたいしだあゆみが恐ろしい顔で「兄様にたんねてみなはれ!!」と言う姿には、すでに悲劇の予感が。「よう帰った」とお夏を迎えるもの柔らかな兄は、淋しげな背中だけで男の哀しみを表現。名手・秋元松代は近松門左衛門の原作を大胆に脚色。ラストシーンの意外さも見逃せない。 加茂神社で完全に再現された祭り風景の美しさや、剣一筋の与一郎を見守る父織部役の植木等、物語の語り部的存在でもある清六役の佐藤慶など、和田勉ドラマらしい絶妙なキャスティングでつづられる人間ドラマ。 ⇒『但馬屋のお夏』放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
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