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どこからともなく現れて、正義の剣をふる鞍馬天狗…といいたいが、演じるのは、日本映画を代表的コメディ俳優、エノケンこと榎本健一。ただのチャンバラでは終わらない。 天狗の天敵新撰組に「天狗廻状」なる怪文書が現れた。それは鞍馬天狗の行動を密告する内容で、この主を探るため、天狗はあるアイデアを思いつく。なんと変装して、新撰組の本拠地に乗り込もうという作戦だ。しかし、どこから見ても怪しく、案の定、正体がばれて危機一髪。それであわてるのかと思いきや、大人数相手にとぼけた言葉で煙に巻いて大暴れ! でも、トレードマークのピストルを落っことしたり、おいおい大丈夫なのか!? 「わしは鞍馬天狗。えへへー。おっと動くと撃ちますぞ」 とにかくこの天狗は身が軽い。戸板、はしご、大八車などひょいひょいかわして走り回る。しかも、頭巾は黒も白もOKというお洒落さん。さっきまで着流しだったのに、いつの間に頭巾を装着?なんて突っ込みは、味気ないってものでしょう。美人にはぼーっとなったり、敵役の女にお世辞を言って油断させたり。気分がよければ♪壬生の侍何してる〜そのくせ手柄はありやしない〜などと歌も聴かせる天狗様。1939年日本が戦争へと突き進む中で制作された映画だと思うと、世に喜劇を送り出した映画人たちの心境も気になる。 ⇒『エノケンの鞍馬天狗』放送スケジュール ( 書き下ろし ) |
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