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ペリーのちょんまげ

『最後の忠臣蔵』
赤穂浪士のただひとり生き残り寺坂吉右衛門
彼の過酷な運命を追った、感動の名舞台。

(さいごのちゅうしんぐら) 出演:
中村梅雀/櫻井淳子/原田龍二/渋谷飛鳥/田村亮/西郷輝彦 ほか 
2010年
掲載日2010年02月05日
  苦難の日々を乗り越えて、見事、主君・浅野内匠頭の仇討ち本懐を遂げた、赤穂の四十七士。ところが、寺坂吉右衛門(中村梅雀)は、大石内蔵助(西郷輝彦)に呼ばれ、これから皆と別れ、残された家族のもとを廻り、事の次第を話し、相談に乗ってくれと命じられる。身分が低いから、皆と切腹が許されないのか。つらい思いで、その場を離れた吉右衛門。臆病者とそしられ、ときに命まで狙われながらも、内蔵助に対する忠義の心で、ひたすら遺族のもとを歩きまわる彼に、心優しい女(櫻井淳子)が声をかける。しかし、彼にはさらに過酷な運命が待ち受けていた。
09年末、東京明治座で上演された舞台作品。梅雀は、明治座初座長を務めた。ペリーは、梅雀ご本人にこの作品についてインタビューしたが、そこで知ったのは、「脚本の徹底した研究」と「座長としての責任感」だった。吉右衛門は、足軽ゆえに、舞台では中腰、平伏の姿勢でのセリフが多く、体力的にはきついが、梅雀は、早着替えも含め、タフに走り回り、疲れを見せない。稽古では、若手の自主稽古を皆で応援するなど、とてもいい雰囲気だったという。後半は、ともに討ち入るはずだった吉右衛門の盟友・孫左衛門(原田龍二)が失踪した理由が明らかに。観客から、すすり泣きの声が絶えなかった名舞台。田村亮、長谷川悕世、青山良彦ら名優の演技の見もの。

「最後の忠臣蔵」⇒放送スケジュール ( 書き下ろし )

『帰って来た木枯し紋次郎』
市川崑監督、中村敦夫主演で15年ぶり長編
堅気の紋次郎に、再び、過酷な運命が。

(かえってきたこがらしもんじろう) 出演:中村敦夫/坂口良子/岸部一徳/鈴木京香/金山一彦/加藤武/石橋蓮司/上條恒彦 ほか 1994年
掲載日2010年01月29日
  始まりは峠の小さな茶屋。そのおやじ(日下武史)が「紋次郎という渡世人は…」五年前に死んだと語りだす。しかし、紋次郎は木曽で木こりとなり、生きていた。少しずつ腕前を上げて、頭の伝吉(加藤武)からも認められ、堅気として日々を送っていたのだ。そんなとき、仕事を嫌って飛び出した頭の息子・小平次(金山一彦)が、貸元・木崎の五郎蔵(岸部一徳)の身内になって、悪事に加担しそうであるとわかる。頭への恩義に報いるため、紋次郎は、小平次を連れ戻すため、再び、渡世人の世界に足を踏み入れることになった。
15年ぶりに市川・中村の顔合わせが実現。原作者・笹沢佐保が書き下ろしたストーリーは、年月を重ねた中村敦夫の渋みをそのまま活かし、「あっしはどうやら、堅気になれない定めのようで…」という紋次郎の切なさを表現している。
粋がってはいるが、紋次郎の貫禄の前には歯が立たない小平次を金山一彦がやんちゃに演じ、彼を心配する鈴木京香もやわらかい女らしさをよく出している。ポーカーフェイスの岸部、腹黒い八州廻り石橋蓮司、紋次郎を恨む女おまち(坂口良子)も、独特の水占いをしながら、「あたしには見えるんです。紋次郎の姿が」と、独特の雰囲気をかもし出す。懐かしい主題歌を歌う上篠恒彦が、老いた浪人で登場するのも、ファンには楽しい。

「帰って来た木枯し紋次郎」⇒放送スケジュール
( 書き下ろし )

『文五捕物絵図 男坂界隈』
倉本聰による「悪人が出てこない時代劇」
法と人情の板ばさみに苦しむ文五の苦悩とは

(ぶんごとりものえず おとこざかかいわい) 出演:
中村橋之助/寺尾聰/森次晃嗣/若林豪/平泉成 
1991年
掲載日2010年01月22日
  気が優しい魚屋の熊吉は、息子加吉(中西良太)の恋人いと(洞口依子)につきまとう浪人を止めようとして、殺された。浪人は北辰一刀流の道場主・重兵衛(丹波哲郎)の三男で、重兵衛の裏工作によって、殺しはお咎めなしとなる。納得がいかない加吉は、浪人を殺害し逃亡。その探索に当たった若い岡っ引き文五(中村橋之助)は、加吉の住む長屋に不穏な空気を感じる。
倉本聰が久しぶりに手がけた時代劇作品で、テーマは「悪人が出てこない時代劇」。しかし、加吉は、逃げれば道場の連中に追われて殺され、捕らえられれば死罪という過酷な条件であり、軽々しいストーリーではない。現在のストーカーや理不尽な法整備にも通じる重さがある。
橋之助は、加吉をかばう長屋の人情と法の手先である自分の立場に悩む優等生的存在。それに対して、影を見せてうまいのが、文五の手下の丑吉(寺尾聡)。彼がなぜ、この仕事をしているのか。暗い過去とともに、人が人を恨むことはどういうことかを見せ付ける。
また、物語をぐっと引き締めるのが、長屋の元締的存在の若林豪。物静かなうちわ貼り浪人(石橋蓮司)の存在とともに、男の心意気と哀しみが、心に残る。
「俺の十手に何が出来たんだ!」と叫ぶ文五が下した決断に注目を。

「文五捕物絵図 男坂界隈」⇒放送スケジュール
( 書き下ろし )

『維新の曲』
「大映」の第一回作品は阪妻の坂本龍馬!
右太衛門、千恵蔵、嵐寛も登場の豪華版。

(いしんのきょく) 出演:
阪東妻三郎/市川右太衛門/片岡千恵蔵/嵐寛寿郎/沢村国太郎/羅門光三郎/大友柳太郎 ほか 
1942年
掲載日2010年01月15日
  数々の名画を世に出した「大映」は、もともと日活、新興キネマ、大都映画の三社合併によって生まれた。その合併の理由は、戦時中、物資の欠乏による生フィルムの不足だったという。苦しい事情の中で誕生した記念の第一作には、豪華キャストが顔を揃えた。
明治維新直前。土佐の坂本龍馬(阪東妻三郎)は、討幕のために薩長連合の必要性を説いていた。しかし、薩摩の西郷隆盛(片岡千恵蔵)は、長州のやり方に納得できず、なかなか同意が得られない。その最中、新撰組による池田屋事件が起き、さらに長州軍が京都に攻め入るものの敗走。混乱は続く。桂小五郎(市川右太衛門)は、単身薩摩藩邸に乗り込み、西郷との話し合いを望むが、西郷は動かない。
阪妻は得意のべらんめいで威勢のいい龍馬を見せて気持ちがいい。意地の張り合いのような薩長の動きにイライラし、宿屋で「長州ったのは、チューチューさえずって眠れやせんよ!」人懐こい笑顔は、龍馬にぴったり。浮浪者スタイルの桂が新撰組と戦うなど、スターのためにしっかり見せ場も用意されているのは、さすが。
終盤、存在感を見せるのが、徳川慶喜訳の嵐寛寿郎。監督の牛原虚彦は帝大から映画入りし、アメリカ留学してチャップリンの門下生になった経歴の持ち主。大物スターをイキイキと動かしている。

「維新の曲」⇒放送スケジュール
( 書き下ろし )

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ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野プロフィール 1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。
「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。
映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は“ペリーテイスト”を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。
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