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ペリーのちょんまげ

ペリーのちょんまげ

掲載日2012年05月11日
「101回目のプロポーズ」
「僕は死にませ~ん」大ヒット作が時代劇に!
歴史好きも納得の設定に一同SAY YES!!

(ぶたい「じだいげきばん 101かいめのぷろぽーず ひゃくいっつうめのこいぶみ」 ) 出演者:武田鉄矢/浅野温子/山崎銀之丞/北川弘美/相島一之/篠田光亮/江波杏子 ほか 2012

「101回目のプロポーズ」は、1991年フジテレビ系「月9ドラマ」。最終回に視聴率36.7パーセントを記録した大ヒット作だ。モテない建設会社社員星野達郎(武田鉄矢)が、深い悲しみを抱えたチェロ奏者薫(浅野温子)に猛アタック。クライマックスでは、走るトラックの前に飛び出し「僕は死にませ~ん。あなたが好きだから!!」と絶叫。このシーンは伝説となった。ちなみに演出陣のひとりが浅野ゆう子版「大奥」の監督林徹。当時から凝り性で武田鉄矢は「重い鉄材担いで走るシーンとか、林演出は大変だった」と振り返る。

その時代劇版となる本作は、2012年3月福岡博多座で上演。舞台は江戸初期の肥後熊本藩。出世とは無縁でレンコン作りが得意な下級武士・星野達郎左衛門(武田)が、謎めいた薫(浅野温子)を助ける。薫はなんと宮本武蔵を仇と狙う。彼女のため、レンコン片手に武蔵に挑む達郎は、あの名セリフを…しかし!!実は武蔵は武田の二役。舞台で二役が斬りあうって一体どうやって?それは観てのお楽しみ。BGMはドラマと同じチャゲ&飛鳥の「SAY YES」。ペリーは博多座で観劇したが、この曲が流れた瞬間、観客の盛り上がりはMAXに!! さすがお客さんもわかってらっしゃる。輪切りレンコンが熊本藩細川家の家紋に似ていることや武蔵が晩年滞在した土地であることなど、歴史好きも納得の設定にも注目したい。

掲載日2012年05月04日
「木曽街道いそぎ旅」
山口崇が密命を帯びた渡世人成りゆきの辰に。
相棒の露口茂は「最高に無口に男を目指す

(きそかいどういそぎたび) 出演者:山口崇/露口茂/町田祥子 ほか 1973年

 木曽街道で道連れとなった成りゆきの辰(山口崇)と、裏街道の銀次(露口茂)は、性格も生き方も“秘密”も正反対。陽気で人懐こい辰は、気風がよくて好奇心旺盛。「減らず口の辰、早耳の辰、すたこらの辰」ともあだ名される男だった。実はその正体は、無宿人を減らすために活動する勘定奉行配下の吟味方改役・堀越三四郎だった。一方、めったに口をきかないが、どんないかさまでも見破る銀次は、元堅気の男だったが、婚礼の日に花嫁お篠乃(加賀まりこ)に逃げられた過去を持つ。二人は、街道で出会うさまざまな人間たちにまつわる事件を彼らなりのやり方で解決。本来なら、無宿人を減らす役割の辰が、彼らを見逃し、「減らすどころか増やしちまった…」などと反省している点が面白い。

名番組「天下御免」で平賀源内を演じるなど、「これまで歴史上の人物の役が多かった」という山口崇は、渡世人役で主演するのはこれが初めてで、73年当時同じ枠で放送された「木枯し紋次郎」をかなり意識していたという。興味深いのは、72年スタートの刑事ドラマ「太陽にほえろ!」で渋い山村刑事で人気の露口茂は、当時「三枚目で売り出したいと事務所と話し合っていたときにこの役が来た」と語り、演じるからには「最高に無口な、ニヒルな」男を目指したという。三枚目も見たかったが、さすが銀次役にはぴったり!

掲載日2012年04月27日
「雪姫隠密道中記」
長身姫様、片平なぎさの七変化!
「水戸黄門」スタッフ多数参加の明朗道中記

(ゆきひめおんみつどうちゅうき) 出演者:片平なぎさ/あおい輝彦/中村敦夫/和田浩治/森マリア/小松政夫 ほか 1980年

  三代将軍家光のころ、熊本城主加藤忠広に流罪の命が下った。忠広の娘・雪姫(片平なぎさ)は、父の無実を将軍に直接訴えるため、江戸に向けて出発。旅先で次々事件に遭遇するが、さすが名将加藤清正の孫娘。必要とあらば、若侍、旅芸人、町娘などに“七変化”。どんな困難にも立ち向かう暴れっぷりを見せる。

 脚本の葉村彰子(実は複数の脚本家の共同ペンネームで、一時期はかの向田邦子も参加していた)はじめ、監督には山内鉄也、プロデューサーには西村俊一など、「水戸黄門」スタッフが多数参加した明朗時代劇。共演も姫様お付の巌谷源八郎(和田浩治)、家光の名代役葵新之介(あおい輝彦)、女道中師お千(森マリア)など、「月曜八時」でおなじみの顔ぶれが揃った。当時、二十歳の片平は、これが初めての時代劇主演作品。ペリーは、元伊賀忍者・小鈴の佐平次役の中村敦夫ご本人にインタビューした際、「当時、男性主役の時代劇が多く、明るくさわやかな女性主役作品をと現場は意欲的だった。旅の物語なので、ロケが多かったが、片平さんは長身で、男性と立ち回りをしても堂々としてみえた」と、りっぱな“姫様”ぶりを語ってくれた。

 特筆すべきは音楽で、長く必殺シリーズを手掛けた平尾昌晃が担当。主題歌「いつも君のそばに」あおい輝彦が♪いつもいる~と甘い歌詞を軽快に歌う。

掲載日2012年04月20日
「暗闇仕留人」
石坂浩二、近藤洋介が主水の義兄弟仕留人に
幕末の時代背景と人間描写が見事

(くらやみしとめにん) 出演者:石坂浩二/藤田まこと/近藤洋介/津坂匡章/野川由美子/菅井きん/白木万理/三島ゆり子/木村夏江 ほか  1974年

必殺シリーズ第4弾として登場した「暗闇仕留人」の面白さは、仕留めをする3人、中村主水(藤田まこと)、糸井貢(石坂浩二)、石屋の大吉(近藤洋介)が、それぞれ中村家の三姉妹の相手であり、義兄弟というところ。つまり、主水を始終やりこめ「婿殿!」とにせんでいる中村せん(菅井きん)は、美人の三人娘(長女りつ=白木万理、次女たえ=三島ゆり子、三女あや=木村夏江)がいたのである。そのうち、次女のたえは、仏門に入り、妙心尼となっているが、大吉と通じ、密会の際には「なりませぬ」と言いながら、しなだれかかるシーンが毎回あり、流行語にもなった。

 黒船来航で大混乱の江戸で、元「仕置人」の主水は、町で半次(津坂匡章)やおきん(野川由美子)と出会い、再び闇の仕事に手を染めることに。その仲間としたのが、御家人崩れの糸井貢と石屋の大吉。貢は、鎖国体制に批判的で蘭学を修めながら、高野長英投獄事件に連なり、追われる身となった過去がある。芝居小屋の三味線弾きとして生活しているが、どこか理屈っぽく、その日暮らしで快楽大好きの大吉とはしばしば対立する。その時代背景や人間描写もていねいで面白い。ちなみに三味線初心者の石坂が、芝居小屋の場面で見せるバチさばきを指導したのはホームドラマ「ありがとう」で共演した岡本信人。後に岡本も「必殺必中仕事屋稼業」に出演する。

掲載日2012年04月13日
「影武者徳川家康」
家康は関ヶ原で死に影武者が幕府を動かす!?
風魔一族の活躍、二代秀忠との暗闘も見物 

(かげむしゃ とくがわいえやす) 出演者:高橋英樹/片平なぎさ/細川ふみえ/市川右近/萩原流行/火野正平/三谷昇/鈴木浩介 ほか 1998年

 天下分け目の関ヶ原。徳川家康(高橋英樹)は、石田三成の放った刺客により暗殺されてしまう。徳川家では、密かに影武者世良田二郎三郎(高橋・二役)を家康に仕立てた。見事、合戦に勝利し、二郎三郎は、幕府の礎を築くべく奔走。しかし、豊臣方の流れをくむ大名たちとの対立、身内である徳川の中での孤立など、二郎三郎を悩ませる。

 原作は隆慶一郎のベストセラー。史実でも家康は天下取りがすむと、二年後には駿府に移った理由は謎とされている。さらに関ヶ原以後、女性の好みが変わり、こどもへの愛情も深まったと伝えられる。一方で、二代将軍秀忠とは対立。それは秀忠が影武者の秘密を知っていたからでは…。二郎三郎役の高橋英樹は文句ない貫禄。影武者なのに、「待てい!!」と恫喝などすると、秀忠はしゅんとなってしまう。秀忠役の市川右近は、これが初の本格ドラマ出演で初々しい。ドラマ終盤、大坂の陣が終わり、用済みとなった影武者抹殺の動きがある中で、秀忠に疎んじられる松平忠輝(鈴木浩介)の命を救い、「長生きしてくれ」と心を配るシーンなどは感動的。前半は淀殿(一色彩子)ら豊臣方との戦い、後半の旧武田忍び対裏柳生の戦いや、二郎三郎を助ける風魔一族の忍びとしての戦いも見物。なお、最終回では影武者の影武者も登場!?英樹はひとり何役なのか…。高橋英樹の演技の幅を堪能できる。

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ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。

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