2011年から、オリジナル本格時代劇を企画・制作しつづける時代劇専門チャンネルが、今年は4人の名優を主役に、放送はBSスカパー!・時代劇専門チャンネル・スカパー!4K 総合・BSフジと、各局を横断するメディアミックス・コラボレーションを実現。制作は松竹・東映の2社にわたって時代劇の粋を集め、長時間スペシャルと一時間ものを組み合わせた1話完結の4作品シリーズとしてお届けする大型企画です。
下級武士を題材にした武家もの、江戸の町民のひたむきな人生を描いた市井もの、実在した人物や出来事に深く迫る伝記小説など、数多くの時代小説を残し、時代を超えて今もなお愛され続ける藤沢周平の世界。誰もがその魅力にふれ、時代劇そのものの素晴らしさを味わっていただけるよう、これまでにない時代劇の制作に挑戦していきます。
’32年、東京都出身。小林正樹監督「人間の條件」(’59年)、黒澤明監督「乱」(’85年)、さらに、成瀬巳喜男、岡本喜八、市川崑、五社英雄など名監督の作品に多数出演。アカデミー賞や世界三大映画祭での受賞も数多い。
’92年、鹿児島県出身。杉田成道監督「最後の忠臣蔵」(2010年)でブルーリボン賞はじめ多くの新人賞を受賞。主な出演作に細田守監督「サマーウォーズ」(2009年:声)、樋口真嗣監督「進撃の巨人」(2015年)など。主演作であるハン・サンヒ監督の日韓合作映画『絶壁の上のトランペット』が来春公開予定。
’88年、大阪府出身。仲代達矢と共演した映画「春との旅」(’10年)で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞をはじめ多くの賞を獲得。主な出演作に映画「六月燈の三姉妹」(’14年)「しもつかれガール」(’14年)など。
’76年、東京都出身。’95年、仲代達矢が主宰する無名塾に入塾。舞台「ロミオとジュリエット」(’13~’14年)「刃、刃、刃!」(’11年)などに出演。
’88年、神奈川県出身。舞台、映画、ドラマと幅広く活躍。
「熱海殺人事件」などのつかこうへい作品等で骨太な芝居を見せる他、佐々部清監督ドラマ「痕跡や」でも主演を務めた。
近年の主な出演作品に、TBS「結婚式の前日に」、舞台「いつも心に太陽を」(主演)、「真田十勇士」(’13年,’15年)、ブロードウェイミュージカル「アダムスファミリー」など。
2月10日より宮田慶子演出の主演舞台「オーファンズ」が東京芸術劇場シアターウエストで上演される。
’93年、宮城県出身。舞台、映画、ドラマと幅広く活躍。
ミュージカル「テニスの王子様」主演、テレビ朝日「仮面ライダーフォーゼ」への出演で注目を集める。
近年の主な出演作品に、ミュージカル「GARANTIDO」「ホンク!」(主演)、舞台「いつも心に太陽を」、「幕末太陽傅」、「夕陽伝」など。
’88年、青森県出身。’09年、仲代達矢が主宰する無名塾に入塾。入塾二年目にして「炎の人」(’10年)娼婦シィヌ役に抜擢される。主な出演作に舞台「ロミオとジュリエット」(’13年)など。
’56年、岐阜県出身。映画「龍三と七人の子分たち」(’15年)「蜩ノ記」(’14年)
テレビ時代劇「一路」(’15年)「平清盛」(’12年)「篤姫」(’08年)「新選組!」(’04年)などテレビ時代劇にも多数出演。
’56年、山口県出身。「釣りバカ日誌」シリーズ、テレビ時代劇「御家人斬九郎」、時代劇専門チャンネルとスカパー!によるオリジナル本格時代劇「鬼平外伝 老盗流転」などに出演。
「大地の子守歌」「青春の殺人者」(ともに’76年)でブルーリボン賞新人賞など9賞受賞。平山秀幸監督「愛を乞うひと」(’98年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。
仲代とは本作で「乱」以来30年ぶりの共演となる。テレビドラマ「北の国から」にも出演。
1954年1月6日生まれ。
東京都出身。映画監督、脚本家。
1943年10月5日生まれ。
愛知県出身。演出家、映画監督。
1947年1月31日生まれ。
大阪府出身。作曲家、ピアニスト。
2005年、宝塚歌劇団退団後、藤沢周平の短篇「盲目剣谺返し」(文春文庫『隠し剣秋風抄』所収)を映画化した山田洋次監督「武士の一分」で日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。ほかに深川栄洋監督「くじけないで」など。テレビ、CM、舞台で活躍中。
’63年、奈良県出身。初主演作「マリリンに逢いたい」(’88年)で第12回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。
主な出演作に「アンフェア」シリーズ、「THE LAST MESSAGE 海猿」など。’16年には話題作「テラフォーマーズ」が公開予定。
現在、ラジオ「加藤雅也のBANG BANG BANG!」(Fm Yokohama 84.7)でパーソナリティーをつとめる。
’86年、東京都出身。デビュー作にして初主演映画「美しい夏キリシマ」(’03年)で第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞。
主な代表作に映画「17歳の風景~少年は何を見たのか」(’05年)「GONINサーガ」(’15年)、ドラマ「若者たち2014」(’14年)、「天皇の料理番」(’15年)、「あさが来た」(’15年)など。
’61年、福岡県出身。NHK連続テレビ小説「よーいドン」でデビュー、テレビ大賞新人賞を受賞。
主な出演作にドラマ「温泉へ行こう」シリーズ、「正しい結婚」「まれ」など。
’59年、岐阜県出身。ドラマ「弟よ!」でデビュー。鬼才・つかこうへいに師事し、多数の作品に出演。
主な出演作に「市民ポリス69」(’11年)「熱海殺人事件」(’82年)「蒲田行進曲」(’86年)など。
’51年、埼玉県出身。
名匠・滝田洋二郎監督作のピンク映画「連続暴姦」(’83年)で映画デビュー。
その後も滝田監督作に多数出演。主な出演作に「病院へ行こう」、「クライマーズ・ハイ」、「剣岳 点の記」、「GARO」、平成「ガメラ」シリーズ、他。
’51年、茨城県出身。’79年に舞台「近松心中物語」「ロミオとジュリエット」で、ゴールデン・アロー賞演劇部門新人賞を受賞。
主な出演作に映画「桜田門外ノ変」、テレビ時代劇「鬼平犯科帳」「剣客商売」「雲霧仁左衛門」
「鬼平外伝夜兎の角右衛門」「闇の狩人 前・後篇」など。
’33年、富山県出身。
「大殺陣 雄呂血」(’66年)、「座頭市」(’89年・共同脚本)など時代劇を中心に活躍する一方、「あ・うん」(’89年)では、第13回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞している。
’28年、京都府出身。「座頭市二段斬り」(’65年)、「眠狂四郎多情剣」(’66年)や、テレビ時代劇「御家人斬九郎」、時代劇専門チャンネルとスカパー!によるオリジナル本格時代劇「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」などを手掛ける。
’55年、東京都出身。大河ドラマ「八代将軍吉宗」、「鬼平犯科帳」、「剣客商売スペシャル 道場破り」、「神谷玄次郎捕物控」、時代劇専門チャンネルとスカパー!によるオリジナル本格時代劇「鬼平外伝」シリーズ、「闇の狩人 前・後篇」などテレビ時代劇に多数出演。
神奈川県出身。映画 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で日本アカデミー賞の最優秀主演女優をはじめ、第40回キネマ旬報賞・主演女優賞ほか各賞を受賞。「仕掛人 藤枝梅安」「軍師官兵衛」「宮本武蔵」など、テレビ時代劇にも多数出演。
’45年、東京都出身。’67年の「カンガルー」で初舞台、NHK連続テレビ小説「あしたこそ」でヒロインを演じる。主なテレビ時代劇出演作に「隠密八百八町」「大江戸捜査網」「鬼平犯科帳」「剣客商売」など。
’73年、東京都出身。NHK連続テレビ小説「あぐり」で俳優デビュー。主なテレビ時代劇の代表作に渥美格之進役「水戸黄門」など。時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「鬼平外伝 熊五郎の顔」「鬼平外伝 正月四日の客」にも出演。
’33年、富山県出身。
「大殺陣 雄呂血」(’66年)、「座頭市」(’89年・共同脚本)など時代劇を中心に活躍する一方、「あ・うん」(’89年)では、第13回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞している。
’28年、京都府出身。「座頭市二段斬り」(’65年)、「眠狂四郎多情剣」(’66年)や、テレビ時代劇「御家人斬九郎」、時代劇専門チャンネルとスカパー!によるオリジナル本格時代劇「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」などを手掛ける。
’43年、京都府出身。松田定次監督「父子鷹」(’56年)でデビュー以来、映画のみならず大河ドラマ[竜馬がゆく」、「隠密奉行朝比奈」、「剣客商売」など多数のテレビ時代劇に主演。
数々の映画賞、テレビ賞にくわえ2007年には紫綬褒章も受章。
’40年2月18日生まれ。東京都出身。1972年、『木枯し紋次郎』が空前のブームになり、以降、数々のドラマで主演を務める。
主な出演作にドラマ「木枯し紋次郎」シリーズ「不毛地帯」、「仁」など。オリジナル時代劇「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」にも出演。
’37年6月15日生まれ。東京都出身。’58年浅草の松竹演芸場でデビュー。“てんぷくトリオ”として人気を博す。
主な出演作に大河ドラマ「新選組!」「平清盛」映画「マルサの女」「THE 有頂天ホテル」「謎解きはディナーのあとで」など。
’80年6月27日生まれ。東京都出身。第26回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
代表作に大河ドラマ「花燃ゆ」「新選組!」映画「人生の約束」「ギャラクシー街道」など。
2016年1月、NTV「『臨床犯罪学者 火村英生の推理」、NHK木曜時代劇「ちかえもん」にレギュラー出演予定。
’84年8月1日生まれ。東京都出身。最近の出演作に映画「クロスロード」ドラマ「遺産相続」など。
時代劇専門チャンネルオリジナル時代劇「新・御宿かわせみ」では、主人公・神林るいの息子・神林麻太郎役を好演。
8月15日生まれ。長崎県出身。’85年化粧品夏のキャンペーンガールとしてデビュー。
主な出演作に大河ドラマ「花燃ゆ」テレビドラマ「JIN-仁-」「5人のジュンコ」「武蔵坊弁慶」「男女7人秋物語」など。
’61年8月23日生まれ。東京都出身。寺山修司演出の舞台オーディションを受け、舞台「バルトークの青ひげ公の城」でデビュー。
主な出演作にドラマ「ふぞろいの林檎たち」「スケバン刑事」映画「わたしをスキーに連れてって」など。「アウト×デラックス」(フジテレビ系)にレギュラー出演中。
’65年10月26日生まれ。群馬県出身。’91年にシングル「君がいたから」でデビュー。’94年に俳優デビュー後、映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍。最近の出演作に映画「天空の蜂」テレビドラマ「新・牡丹と薔薇」「ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜」など。
’75年9月27日生まれ。兵庫県出身。テレビドラマ「ひとつ屋根の下」に次女・小梅役で出演し、人気を博す。
池波正太郎原作大人気時代劇「剣客商売」第1~3シリーズに佐々木三冬役でレギュラー出演。以降も現代劇、時代劇問わず活躍。
’46年11月26日生まれ。大分県出身。日米合作映画『トラ・トラ・トラ!』の助監督を経て、映画『さらば掟』で映画俳優デビュー。
最近の出演作にNHKBSプレミアムドラマ「はらぺ娘」。その他主な出演作に大河ドラマ「葵・徳川三代」「利家とまつ」「功名が辻」「江 姫たちの戦国」映画「里見八犬伝」など。
’54年 10月13日生まれ。東京都出身。ドラマ・舞台・映画と幅広く活躍している。最近の出演作にドラマ「民王」、主演舞台「くちづけ」など。
’45年、北海道出身。
テレビ時代劇「江戸捜査指令」、「吉宗評判記 暴れん坊将軍」などを手掛ける一方、「刑事物語3潮騒の詩」(’84年)、「刑事物語4くろしおの詩」(’85年)など映画作品でも活躍。
’64年、京都府出身。「陽炎 3」(’97年)、「大奥」(’06年)などの時代劇映画や「必殺仕事人 2009」、「雲霧仁左衛門」、「妻はくノ一」などテレビ時代劇を多数手掛けている。
’27年、山形県の黄金村(現在の鶴岡市)という農村に出生。子供のころは遊びと読書に夢中であったという。やがて教職を志し、山形師範学校に入学。乱読と映画三昧の日々を送る。卒業後、隣村の湯田川中学校教師に。国語、社会を教えた。
’51年、教師生活2年の終わりに肺結核を患い、半年の入院と自宅療養を経て東京・東村山の篠田病院に入院。安静時間の2時間以外は自由であったため、ギター、花札、落語、そして俳誌「海坂」への投句に励む。本人曰く「療養所は、私にとって一種の大学だったと思う」。
5年半の闘病ののち、東京の業界紙に就職し、31歳で同郷の三浦悦子と結婚。時代小説雑誌へ寄稿をはじめる。35歳で一人娘の展子を授かるも、生後8ヶ月の子を残し、妻が他界。翌年からオール讀物新人賞への投稿をはじめ、’71年「溟い海」で同賞を受賞する。’69年、高澤和子と再婚。
オール讀物新人賞受賞からわずか2ヶ月、「溟い海」で直木賞候補に。その後、候補に挙がること4度目にして「暗殺の年輪」で晴れて受賞。翌年、46歳で会社を辞め、作家活動に専念。架空の小藩「海坂藩」を舞台に下級武士の哀歓を描くなど、文学史に残る数々の名作を生み続けた。’97年逝去。
巧みな物語展開と静謐な筆の運び、
普通に生きる人間たちへの情に溢れた、藤沢文学の全て。
私が書く武家物の小説の主人公たちは、大ていは浪人者、勤め持ちの中でも薄禄の下級武士、あるいは家の中の待遇が、長男とは格段の差がある次、三男などである。——「『美徳』の敬遠」より——
藤沢本人がそう認めているように、物語に描かれる人物の多くは、決して社会の主流派ではなく、どちらかといえば傍流にいる人々である。その切なさや儚さこそが、時代を超えて人々の心に訴えかける藤沢文学の魅力の源泉であるといえる。
市井小説はただのひとの物語であり、時代が違うだけでわれわれの物語でもある。——「『海鳴り』の執筆を終えて」より——
藤沢は、自身の文学世界の中核のひとつともいえる「市井もの」に対して、こんな言葉を残している。何気ない日常の一場面、町を行き交う名もなき人々、変わることのない日々の営み、胸のうちに秘められた行き場のない想い。その慎ましさ、ささやかさが、今を生きる人々の胸に、さりげなくふれる。
私なりに一茶を手がかりに、人間存在のとき得ない謎を手探りしてみたい——「一茶という人」より——
なぜ、すでに書き尽くされた小林一茶という人物の伝記に取り組むのか、という自問に対し、藤沢はこんな想いを綴っている。実在した人物に入りこみ、その胸のうちを描きだすことにより、読者は遠い昔の出来事を身近に感じることができる。
時には小説の中からでなく、日常の言葉でじかに読者に話しかけてもいいのではなかろうか。——『周平独言』あとがきより——
藤沢のエッセイには自分に興味を持ってくれる人にこたえたいという気持ちが表れている。また俳句などには、小説よりも私的な感情や心に残った風景が描かれており、印象に残る言葉が多い。
一茶
文春文庫刊。生涯二万句に及ぶ作品を遺した俳聖の意外な一面とその生涯を描き出す。
漆の実のみのる国
文春文庫刊。藩政改革に心血を注ぐ、上杉鷹山と執政たちの哀しみや孤独を澄明に描く長篇。
半生の記
文春文庫刊。自身を語ることが稀だった藤沢が、生い立ちや郷里への想いを詳らかにする。
ふるさとへ廻る六部は
新潮文庫刊。故郷への思い、創作の秘密、自伝随想までを収めた文庫オリジナルエッセイ集。
藤沢周平の自筆原稿や愛用品を展示するほか自宅書斎を移築再現し、藤沢文学の作品世界を深く味わうことができる。
所在地:山形県鶴岡市馬場町4番6号(鶴岡公園内)
連絡先:0235-29-1880
鶴岡市立藤沢周平記念館 公式サイト
藤沢周平が愛した鶴岡は作品にさまざまな形で姿を見せる。城下町の風情を色濃く残す鶴岡には藤沢作品を想起させる案内板が設置され、訪れる人を小説の舞台へと誘う。⇒詳しくは山形県鶴岡市観光連盟まで。
協 力:藤沢周平事務所 遠藤展子 遠藤崇寿 文藝春秋 新潮社
参考文献:■『鶴岡市立藤沢周平記念館図録』(鶴岡市立藤沢周平記念館) ■『海坂藩の面影』(鶴岡市観光連盟)
■『庄内藩十四万石の城下町 鶴岡』(鶴岡市観光物産課) ■『藤沢周平と「海坂藩」を旅する』(徳間書店刊)
■『蟬しぐれ』『風の果て』『霧の果て 神谷玄次郎捕物控』『よろずや平四郎活人剣』『一茶』『漆の実のみのる国』『半生の記』『花のあと』『三屋清左衛門残日録』、以上(文春文庫刊)
■『ふるさとへ廻る六部は』『時雨のあと』『驟り雨』、以上(新潮文庫刊)