| 山本周五郎・藤沢周平を継ぐ人情時代劇の名手と言われる平成時代小説界の第一人者・山本一力の初長編作品であり、第126回直木賞受賞作の『あかね空』を映画化。企画&脚本を篠田正浩が手掛け、篠田作品で助監督を務めた浜本正機がメガフォンを取った。豆腐屋を営む一家の葛藤の歳月を通じて、家族の絆と再生を描く感動作である。主演は、2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』で主役の山本勘助を演じたことも記憶に新しい内野聖陽と、『嫌われ松子の一生』『自虐の詩』など映画を中心とした活躍の目ざましい中谷美紀。夫婦役を演じたこの二人を軸に、岩下志麻、石橋蓮司など実力派俳優たちが脇を固め、"夫婦""家族"という人間の小さな営みの中に起こる愛情・葛藤という普遍的なテーマを繊細に表現している。中でも内野聖陽は、真面目一徹な職人・永吉とやくざの親分・伝蔵という全く違った二役を演じ分けており、その演技力をいかんなく発揮している。また、CGによって再現された永代橋を中心とする江戸の町並みも必見だ。 |