「忍法帖」だけが山田風太郎ではない!
史実と虚構が巧みに交錯し、あっと驚く“奇想”で全ての人を魅了する、
百花繚乱・変幻自在の山田風太郎ワールドに迫る!
作家・山田風太郎(1922-2001)の魅力は、誰もがあっと驚く奇抜で独創的な発想すなわち“奇想”の素晴らしさ。そして背景にある歴史的事実が丹念に調べ上げられ、“奇想”に一種のリアリティが与えられる。
虚構と史実が絶妙に融合した、独特の山田風太郎ワールドである。
「山田風太郎」といえば『甲賀忍法帖』をはじめとする「忍法帖」だが、山田風太郎の魅力は「忍法帖」だけにとどまらない。時代もの、明治もの、推理もの、さらには随筆など、風太郎作品世界は実に多彩。しかも、そのどれもが彼の“奇想”に溢れた一級品ばかりである。
今回、山田風太郎原作の映像作品を特集するにあたって、特に注目していただきたいのは“知られざる山田風太郎”ともいうべき「忍法帖」以外の作品たちだ。
『山田風太郎 からくり事件帖』は彼の明治もの第1作『警視庁草紙』が原作で、維新まもない激動の明治初期を舞台に、「ご隠居」と呼ばれる元南町奉行・駒井相模守と初代警視総監の川路利良が事件解決をめぐって対決するという“奇想”が展開される。樋口一葉・森鴎外・龍馬の妻おりょうなど実在の人物が意外な姿で登場するのも見どころで、推理の面白さと同時に西南戦争前夜の混沌とした時代のエネルギーがいきいきと描き出された歴史ドラマとしても楽しめる。
『姫君捕物控』と『美女(むすめ)奉行 おんな牢秘抄』は、どちらも時代ものの『おんな牢秘抄』を原作としており、名奉行大岡越前の娘・霞が「姫君お竜」と名乗って小伝馬町の「おんな牢」に潜入し、女性ならではの観点で女囚たちの冤罪を晴らすという“奇想”が鮮烈。加賀まりこがキュートな姫君に扮したお宝作品『姫君捕物控』とエロティックアクション『美女(むすめ)奉行 おんな牢秘抄』のテイストの違いを見比べてみるのも面白い。
しかし、そうは言ってもやはり「忍法帖」、スリリングな剣と妖術の世界は捨てがたいという方のために、言わずと知れた名作『魔界転生』もご用意。風太郎小説最大のヒーロー・柳生十兵衛を主人公に、闇の秘術・魔界転生で蘇った天草四郎・宮本武蔵・荒木又右衛門らが十兵衛に戦いを挑む、まさに奇想天外・荒唐無稽の物語である。
山田風太郎の世界を様々なジャンルから味わい尽くす本企画。その“奇想”の煌きをとくとご覧あれ。

山田風太郎(やまだふうたろう)
…1922年生まれ。東京医科大学在学中、懸賞小説に入選し作家デビュー。『甲賀忍法帖』をはじめとする「忍法帖」シリーズで忍法ブームを巻き起こした。忍法もの以外にも、推理小説・時代小説・明治伝奇小説など多彩なジャンルで活躍。2001年の死去後も、数多くのファンを持つ。
放送作品
<警視庁草紙>
(C)NHK<おんな牢秘抄>

「美女奉行 おんな牢秘抄」(C)1994キングレコード(株)<魔界転生>



