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昔、夜兎の角右衛門(中村梅雀)という大盗賊がいた。

金持ちは世の中から金銭を奪って私腹を肥やしている。その金と力のあるやつらから盗み取るということは単に盗み返すだけのことだから悪いことではない??。

そんな盗人にも三分の理があるという理屈で、お務めならぬ"お盗め"と称して盗賊を続ける角右衛門だった。

その角右衛門には、先代・夜兎の角五郎(中村敦夫)から受け継ぎ、自分とその一味に厳しく課す三つの掟があった。

  • 盗まれて難儀するものへは、手を出すまじきこと
  • つとめをする時、人を殺傷せぬこと
  • 女を手ごめにせぬこと

この夜兎の掟を守ってきた角右衛門は、一度もお縄をかけられたことがない。それ故、先代同様に畳の上で往生できるものと思っていた。

ある日、町で拾った大金を落とし主に返す女乞食・おこう(荻野目慶子)の姿に心打たれた角右衛門は、料理屋でおこうに鰻をふるまう。おこうには片腕がなかった。聞けば、七年前に奉公していた駿河の紙問屋で、押し入った盗賊の手下のひとりに斬り落とされたという。角右衛門はわが耳を疑った。あのお盗めはまさに角右衛門らの仕業だったが、その際、手下の綱六が鉄の掟を破り、なんの罪もないおこうの右腕を斬り落としていたのだ。角右衛門は盗人の面よごしになったとして、一味を解散し、特別警察ともいうべき火付盗賊改方へ名乗り出ることを決意する…。

果たして、大盗賊の掟を破った角右衛門の人生の結末は…。