
- スタッフ:
- 視聴者の熱気が冷めやらぬまま、ついに「特集・栗塚旭」が幕を閉じましたが、振り返ってみていかがでしょうか?
- 栗塚さん:
- ファンの方たちからたくさんのお手紙をいただきました。
「『新選組血風録』を観るのは2回目だったけど、まだもう一度観たい」とか、観ることに対して情熱を燃やしてくれているというのが、僕にとってはほんとにうれしいですよね。
この作品を撮影している当時は、自分の作品もなかなか観られなかった。放送っていうのは週1回でしょ?夜間に撮影があったら観られないんですよ。だから自分の作品も満足に観られなかったので、いま観ると新鮮に見えるときがあるんですよね。
長い間役者一筋で頑張っていても、今までの自分の仕事を振り返ったりできる機会は少ないのですが、この特集の際に役者仲間からも「『新選組血風録』『用心棒シリーズ』に出演していたおかげで、昔の自分を観られたよ」という声まで聞くことができました。とってもうれしいですよね。
- スタッフ:
- 京都に対する思いについては…
- 栗塚さん:
-
ある時期はすごく撮影を見に行ってみたい、なんて子供のときに思ってたんですけれどもね。親と死に別れたおかげというか、北海道から兄がたまたま働いていた京都に住むことになって。高校卒業してどうしようかと迷っているときに、劇団に入って役者の道を歩み出しまして…。その当時は映画っていうのは大変なものでしたから、ちょっとやそっとで近づけるものではなかったけれどもね。それでも京都に住んでいると、たまたまロケーションに遭遇したりとか、太秦なんかもあったので、京都は日本のハリウッドなんだと改めて思いました。
住んで50年以上になるので、僕にとって京都は住んでいる場所ではあるんですけど、今でもまだ憧れの地でもあるわけで。旅行者の方がいいなと思うのと同じように、京都をまだ彷徨ってる今日この頃です。
そのぐらい京都っていうのは、ちょっと歩くといろんなものに出遭える場所ですね。
- スタッフ:
- 京都でおすすめの場所はありますか?
- 栗塚さん:
-
左京区にある、哲学の道から『新選組』の会津中将様(会津藩主・松平容保)が住んでいらした黒谷の金戒光明寺へ抜けて、真如堂に行く道。またそれに続いて、吉田山から京大へ降りていくあたりが好きですね。
もちろん嵐山とか清水とか大原とか、京都はどこへ行っても素晴らしいところはあるけれども、特に自分の住んでいる近くでふっと足を向けたら心が落ち着く場所があるというのは、いつもうれしいと思っています。
- スタッフ:
- 役者としての座右の銘などありますか?
- 栗塚さん:
-
僕はどちらかというと、頭で考えるよりも体、感覚で受け止めて感じたことを表現するというやり方でやってきたので、できればお迎えのときまで(笑)、できるだけ新鮮な感覚を持ち続けたいなと思っています。
- スタッフ:
- 最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
- 栗塚さん:
-
いつも未知なるものを追いかけて今まで生きてきたから、これからもそういうものを追いかけて生きていきたいなと思っています。皆さんと共に。