必殺用語解説

【心電図:しんでんず】
(村雨の大吉の心臓掴みの
 表現技法)
 1903年、オランダの生理学者、ウィレム・アイントホーフェン博士により検流計で測定されたものが世界初とされている(博士はこの功績により1924年にノーベル生理学・医学賞を授与)。所謂、心臓の電気的な活動の模様をグラフの形に記録することを指して呼び、心臓に限った筋電図とも言える。心電図の記録法は、電極を生体のどの位置に取り付けるかによって分類され、最もポピュラーなものは12誘導心電図と言われ、四肢に肢誘導4本を取り付け、胸に胸部誘導6本を設置。肢誘導から6種類の波形を導き、そこ全体を接地として胸部誘導それぞれから1種類の波形を導出することで計12種類の波形が記録されることになる。尤も、大吉がとどめを指した際の心電波形は、おそらく心電図モニタと呼ばれる画面をそのまま映したものと思われる。

【矢立:やたて】
(糸井貢の第三の必殺武器)
 ひと口に言ってしまえば、江戸時代の筆箱……だが、本来の語源は、武士が矢を入れて携帯する装備のことである。主に江戸時代に入ってから、筆と墨壺を組み合わせた携帯用の筆記用具一式を指すようになる。筆を矢に代わる武士の新たな武器(仕事用具)と見立てての換言からきたのだろう。墨壺が付いているため外出先でも即座に筆が使える点がミソで江戸中期以降は多いに重宝された。墨壺が付いているということは、ボールペンや万年筆の元祖ということか? 墨壺の部分が円形や四角のものがあるが、劇中で貢が使用していたものは四角(長方形)だった。貢は第18話からこの武器を使用するようになるが、ある意味、(三味線の)バチや簪以上にインテリの彼らしい武器だったといえよう。なお、実際に針や刃を仕込んだ護身用の矢立は江戸時代にその存在が確認されている。その中のひとつは貢のものだったのだろうか……!?

【蘭学:らんがく】
(糸井貢こと吉岡以蔵が
 専攻する学問)
 江戸時代にオランダ国から日本に入ってきた学問全般を指し、その中には、文化・芸術なども含まれる。オランダの学問なので“蘭”だが、実際にはヨーロッパ全体の学問・文化・芸術を指していた。幕末の開国以降はさらに世界中の学問が一気に流入したため“洋学”の総称に取って代わられることとなる。その始祖・先駆は備前国長崎出身の西川如見と言われ、彼が長崎で見聞したアジア等の海外通商事情を著した『華夷通商考』がその飛躍に多いに貢献した。さらに新井白石が『西洋紀聞』で道を拓き、学術に造詣の深い八代将軍・徳川吉宗が漢訳蘭書の輸入規制を緩和したことで一気に広まったとされている。その後、杉田玄白、前野良沢ら優れた蘭学医などを輩出したが、1828年のシーボルト事件をきっかけに蘭学弾圧がスタート。やがてそれは蛮社の獄にまで発展し……。以下、『新 必殺からくり人 東海道五十三次殺し旅』の用語解説につづく。


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