~一対一の美学~ 「晩秋の三本勝負」

時代劇には、今なお語り継がれる数々の名勝負がある。それは歴史に残る合戦、一対多数の大立ち回り、剣豪同士の決闘……。
その中でも時代劇の醍醐味である“一対一の対決”にスポットをあてた傑作三本勝負をお届け。

11月16日(土)3週連続 毎週土曜よる9時

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十兵衛暗殺剣
放送日:11月16日
(1964年・モノクロ )
原作:紙屋五平   監督:倉田準二   脚本:高田宏治  
出演:近衛十四郎/河原崎長一郎/宗方奈美/岡田千代/林真一郎/大友柳太朗 ほか  

幕屋新蔭流は豊臣方についたために在野を強いられた。首領・幕屋大休(大友柳太朗)は新蔭流正統を主張するために琵琶湖竹生島から印可状と守り刀を奪い、柳生新蔭流に挑戦する。将軍家光(林真一郎)は印可状を奪い返すよう十兵衛(近衛十四郎)に厳命、十兵衛は十一名を引き連れ竹生島に向かう。幕屋新蔭流は湖賊と連合を組み柳生新蔭流を迎え撃つ。次々と十兵衛の門人が倒れるなか、十兵衛は幕屋大休との一騎打ちに挑む。

十兵衛暗殺剣(C)東映
真剣勝負
放送日:11月23日
(1971年・カラー )
原作:吉川英治   監督:内田吐夢   脚本:伊藤大輔  
出演:中村錦之助(萬屋錦之介)/三國連太郎/沖山秀子 ほか  

夕刻。宮本武蔵(中村錦之助)は、鈴鹿の山の奥深く、雲林院の荒野に建つ宍戸梅軒の家を訪れていた。宍戸梅軒(三國連太郎)と妻のお槙(沖山秀子)は鎖鎌に興味を示す武蔵に対し、酔った後に身包み剥いで追い出そうと画策するのだが、酒を酌み交わすうちにお槙の兄・辻風典馬を斬った相手ということが判明する。夜半、梅軒の手下八人衆が武蔵を襲おうとするが、風の変化を感じていた武蔵は既に見切っていた。ここに武蔵対梅軒・お槙との闘いが始まるのだが、八方から責めてくる分銅の攻撃に業を煮やした武蔵は、お槙が背負っている赤ん坊を奪い駆け出してゆく…。

真剣勝負(C)1971 TOHO CO., LTD.
座頭市千両首
放送日:11月30日
(1964年・カラー )
原作:子母沢寛   監督:池広一夫   脚本:浅井昭三郎/太田昭和  
出演:勝新太郎/坪内ミキ子/城健三朗(若山富三郎)/島田正吾 ほか  

娘馬子・お千代(坪内ミキ子)のひく馬で、三年前にこころならずも斬った吉蔵の墓参りに向かっていた市(勝新太郎)だったが、墓参りのことを話したところ、馬から引きずりおろされ、千代は馬に鞭打ち駆け去った。辿りついた上州の板倉村では、上納金千両を用意できたことを祝っての宴を張っており、市も快く迎えられた。だが、翌日、千両箱を運ぶ農民たちは、突如浪人とやくざの一味に襲われ、千両箱を奪われてしまう。逃げ帰ったものたちは、略奪したのは忠治一家の者だと言い、市も、グルだと疑われた。真実を確めるため国定忠治(島田正吾)のこもっている赤城山に向かう市を、怪しい女・お吟(長谷川待子)と、実は吉蔵の妹だったお千代がつけていた。子分を市に斬られていた忠次だったが、なんとか市への疑いは氷解、山を下りる決意をする。悪徳代官・松井軍太夫(植村謙二郎)のお先棒を担ぐ十手持ちの紋次(天王寺虎之助)の密告で、捕えられそうになった市だったが、凄まじい剣できりぬけた。そして紋次の賭場へ向かい、そこで代官が紋次に、用心棒の十四郎(城健三朗)らを使って千両箱を奪わせ、忠治にぬれ衣をきせていたことを知る。まだ村人たちに犯人と疑われたままだった市は、千両箱を取り返して身の証を立てることを宣言する……。

座頭市千両首(C) KADOKAWA 1964