五代目長谷川平蔵を継ぐ男、松本幸四郎。令和における新たな鬼平は、果たしてどのような装いになるのか？彼の祖父・初代松本白鸚に始まり、丹波哲郎、萬屋錦之介、そして中村吉右衛門と受け継がれてきた「鬼平犯科帳」。歴代の鬼平を振り返り、松本幸四郎が新たな鬼平の姿を探求する本番組。第二弾である今回は、二代目長谷川平蔵役、丹波哲郎を取り上げる。初代松本白鸚のあとを受けた丹波哲郎主演「鬼平犯科帳’75」。刑事ドラマなどで華々しく活躍し、あらゆる作品で“組織の顔役”としてお茶の間に定着していた丹波が長谷川平蔵役を務めたのは、当時の自然な流れだったのかもしれない。今や義理人情に厚く、江戸風情の豊かさ香る鬼平シリーズというイメージが浸透しているが、丹波版鬼平は激しく、刺激的！その姿は、長谷川平蔵を超えて、丹波哲郎の火付盗賊改方と言ったほうがしっくりとくるほど。そんな鬼平史でも、異色の個性を持った本シリーズの魅力を、新たな鬼平として五代目長谷川平蔵を受け継いだ松本幸四郎とともに紐解いていく！松本幸四郎は丹波哲郎をどう見るのか！ご期待ください！

江戸市中を巡回し、放火犯や盗賊・博徒の取り締まりをその任とする「火付盗賊改方」の長官・長谷川平蔵は、盗賊から「鬼の平蔵」と恐れられていた。平蔵には江戸本所界隈の無頼漢であった過去があり、だからこそ悪に走る人の心や人情の機微のわかる男である。剣は滅法強く、凶悪犯には鬼のように厳しい態度で挑むが、一方で庶民や罪の軽い者に対しては仏の情を見せる。鬼平こと長谷川平蔵は、配下の同心・与力・密偵たちとともに江戸の平和と安全を守る。