老境の人間模様を温かな視点で描く、藤沢周平の傑作連作長篇が原作の「三屋清左衛門残日録」。時代劇専門チャンネルでは、2016年からBSフジとのタッグにより、「登場篇」「完結篇」「三十年ぶりの再会」と3作品をドラマ化してきました。いずれの作品も多くのお客様に好評を博してきましたが、この度、さらなる続篇を望むファンの皆さまの声にお応えして、第四作となる「新たなしあわせ」を時代劇パートナーズとして制作することになりました。
主演の北大路欣也ほか、麻生祐未、伊東四朗などお馴染みのキャストに加え、美村里江や小林稔侍、三田佳子ら日本を代表する豪華俳優陣が集結した本作は「家族」をテーマとしたストーリーで、清左衛門とその息子・娘が関わるエピソードを中心に、家族への思いや揺れる心模様を藩の政権争いを背景として繊細に描いています。一人の親として奮走する清左衛門の姿に、これまでと異なる趣を持つ「残日録」として新しさを感じていただけることでしょう。
隠居の日々を、趣味の川釣りと道場通いに費やす清左衛門。ある日、釣りから帰ると、嫁に出した娘の奈津が子連れで訪れていた。久しぶりに孫の顔を見て喜ぶ清左衛門だったが、奈津の様子に些か気掛かりを感じるのだった。
そうした折、親友の町奉行・佐伯熊太から、先代藩主の側室だったおうめが、父親知れずの子を身ごもったと聞く。かつて藩の奥を仕切っていた滝野がそのことに立腹しているため、怒りをなだめてほしいと頼まれるが、事情を調べていくうち、かねてより清左衛門を疎ましく思っている朝田家老が関わっていると分かり…。
また清左衛門は、
奈津が夫のことで憂慮を抱えていると知る。
親心からその真偽を確かめようと動き出したが、そこにもまた朝田一派の影がちらついて…。
不穏な空気が漂う中、我が子の幼き頃を想い、己を顧みる清左衛門。
欅の老木に自らを重ねて思うこととは…。
「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ―」
1964年、京都府出身。2002年にテレビドラマ「盤獄の一生」で監督デビュー。北大路欣也主演版「剣客商売」シリーズ、「鬼平犯科帳 THE FINAL」(フジテレビ系)、「鼠、江戸を疾る」「雲霧仁左衛門」「妻は、くノ一」(NHK)、「必殺仕事人2009」「柳生一族の陰謀」「陰陽師」(テレビ朝日系)、「幻十郎必殺剣」「刺客請負人」(テレビ東京系)などのテレビ時代劇から、「おみやさん」シリーズや「メイド刑事」(テレビ朝日系)などの刑事ドラマまで、幅広く手掛ける。ド派手なアクションや登場人物の内面の動きを繊細に描く演出手腕に定評があり、今後の時代劇界を担う注目の一人。「三屋清左衛門残日録」はシリーズ全作で監督を務める。
1927年、山形県黄金村(現鶴岡市)出身。山形師範学校(現山形大学)で文芸に親しみ、教員を経て、新聞記者時代に小説を書き始める。71年『溟い海』で第38回「オール讀物」新人賞、73年『暗殺の年輪』で直木賞を受賞。この後に本格的な作家生活に入り、武家もの、市井もの、実在の人物を題材とした歴史小説など、多彩なジャンルで秀作を発表。江戸の人々の哀歓とぬくもりを緻密かつ抒情的に描き出し、『三屋清左衛門残日録』『たそがれ清兵衛』『海鳴り』『風の果て』『よろずや平四郎活人剣』『用心棒日月抄』『蟬しぐれ』『橋ものがたり』ほか、文学史に残る名作を生み続けた。86年に『白き瓶 小説 長塚節』で吉川英治文学賞、89年に菊池寛賞、94年に朝日賞、東京都文化賞を受賞。95年紫綬褒章受章。97年1月逝去。
特報
予告篇
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