

藤沢周平の傑作長篇小説を原作に、老境の人間模様を温かな視点で描くオリジナル時代劇シリーズ『三屋清左衛門残日録』。BSフジとのタッグによる「登場篇」「完結篇」「三十年ぶりの再会」、そして時代劇パートナーズとともに制作した第4作「新たなしあわせ」は、新作を待ち侘びる時代劇ファンの皆様から大変な好評を博しました。今回、新たにケーブルテレビ最大手のJ:COMとタッグを組み、藤沢周平のハードボイルドな傑作短篇「闇討ち」(文春文庫『玄鳥』所収)と『三屋清左衛門残日録』の世界を融合させた第5作が誕生!
主演の北大路欣也をはじめ、優香、松田悟志、小林綾子、金田明夫、麻生祐未、伊東四朗らお馴染みのキャスト陣が顔を揃えるほか、勝野洋、木場勝己、小野武彦、西岡德馬ら実力派俳優が結集した本作。孫の成長を見守りながら、家族とのしあわせな時間を噛みしめる清左衛門のもとに舞い込む、旧友との邂逅や藩内の不穏な動き、周囲の人間模様に潜むそれぞれの事情…。
巡りゆく季節の中で、変わらない人の想いを鮮烈に描き出す、今この時代にこそ届けたい新たな「残日録」をお楽しみください。
桜の花がほころび始めた春の頃、清左衛門は生まれたばかりの孫とのふれあいを何よりの楽しみとして、穏やかな日々を過ごしていた。
ある日、清左衛門を訪ねてきた江戸詰めの近習頭取から、十年前に御納戸頭・半田守右衛門が起こした収賄事件が、実は濡れ衣だった可能性があると聞かされる。さらに、頼まれて半田の行状を調べていくうちに、思いもよらぬ事実を知ることになる。
同じ頃、かつての道場仲間で、過去の失態により不遇のまま隠居となった清成権兵衛と再会する。清成の誘いで道場の同輩・植田与十郎も交えて酒を酌み交わし、剣の手合わせをして旧交を温めるが、その矢先、藩内の派閥争いを根とする事件が起こり…。
家族と共に生きる悦び、旧友たちとの思い出、
そして彼らが抱える複雑な思いなど、清左衛門の心の中を様々なものが去来していく。
「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ―」
日本映画放送株式会社 執行役員・編成制作局局長。「時代劇専門チャンネル」「日本映画専門チャンネル」の開局(1998年)から編成・企画を担当。映画、時代劇プロデューサーとして、2011年からオリジナル時代劇「鬼平外伝」シリーズ、「藤沢周平 新ドラマシリーズ」など本作品に至るまで全22作品の企画・プロデュースを担当。劇場映画として「最後の忠臣蔵」(10年)「LIAR GAME The Final Stage」(10年)「リップヴァンウィンクルの花嫁」(16年)「海辺のリア」(17年)、「8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―」(20年)などを手掛ける。
1927年、山形県黄金村(現鶴岡市)出身。山形師範学校(現山形大学)で文芸に親しみ、教員を経て、新聞記者時代に小説を書き始める。71年『溟い海』で第38回「オール讀物」新人賞、73年『暗殺の年輪』で直木賞を受賞。この後に本格的な作家生活に入り、武家もの、市井もの、実在の人物を題材とした歴史小説など、多彩なジャンルで秀作を発表。江戸の人々の哀歓とぬくもりを緻密かつ抒情的に描き出し、『三屋清左衛門残日録』『たそがれ清兵衛』『海鳴り』『風の果て』『よろずや平四郎活人剣』『用心棒日月抄』『蟬しぐれ』『橋ものがたり』ほか、文学史に残る名作を生み続けた。86年に『白き瓶 小説 長塚節』で吉川英治文学賞、89年に菊池寛賞、94年に朝日賞、東京都文化賞を受賞。95年紫綬褒章受章。97年1月逝去。
初めての「三屋清左衛門残日録」
予告篇①
予告篇②
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