「眠狂四郎」「古畑任三郎」などテレビ時代劇・テレビドラマの人気シリーズをはじめ、映画、舞台で活躍した俳優の田村正和さんが、4月3日に亡くなられました。77歳でした。

1943年京都府出身。
京都で数々の名作を生んだ映画スター、阪東妻三郎の三男として生まれ、いずれも俳優の兄・高廣さん、弟・亮さんとともに後に「田村三兄弟」と呼ばれました。

1960年、高校在学中に兄・高廣さんの主演映画「旗本愚連隊」に出演。翌年に松竹と専属契約し、木下惠介監督の映画「永遠の人」で本格デビュー。
1966年にフリーに転じた後は、数多くのテレビドラマに出演しました。

テレビ時代劇では、主演を務めた「眠狂四郎」（1972-73・フジテレビ系）が当たり役に。
美貌を備えた無口でニヒルな剣士役は原作者の柴田錬三郎からも絶賛され、その後も「鳴門秘帖」（1977-78・NHK）など、愁いを帯びた演技で人気を集めました。
また、「若さま侍捕物帳」（1978・テレビ朝日系）では、べらんめぇ口調の江戸っ子という明るい役柄に挑戦。
「乾いて候」（1983・フジテレビ系）では、田村三兄弟がそろって共演したことも話題となりました。

80年代からは、「うちの子にかぎって...」（1984-1985・TBS系）、「パパはニュースキャスター」（1987・TBS系）や、
「ニューヨーク恋物語」（1988・フジテレビ系）などで、コミカルな父親役から正統派二枚目役まで幅広く演じてお茶の間の人気を博し、
1994年にフジテレビ系で放送された三谷幸喜脚本の「警部補・古畑任三郎」では、
独特の口調で犯人を推理するニヒルだがどこか憎めない刑事役が一大ブームとなり、10年以上にわたって愛される人気シリーズとなりました。

2018年の「眠狂四郎 The Final」（フジテレビ系）が、最後のドラマ出演となりました。

上品でダンディー、茶目っ気のあるコメディから正統派二枚目まで幅広い役柄を演じ、国民的人気俳優だった田村正和さんのご冥福を謹んでお祈り致します。

時代劇専門チャンネルでは、以下の通り、田村正和さんの主演作品を放送いたします。

「若さま侍捕物帳（全18話）」
6/23（水）スタート　月曜～金曜よる9:00ほか