時代小説「御宿かわせみ」シリーズなどで知られる作家の平岩弓枝さんが、6月9日に亡くなられました。91歳でした。

1932年生まれ。東京・代々木八幡宮の一人娘として育ち、日本女子大学文学部卒業後、作家の戸川幸夫に師事。
ついで作家・劇作家の長谷川伸が主宰する「新鷹会」に入会。59年に「鏨師（たがねし）」で直木賞を受賞しました。

以来、女性の生き方を描いた時代小説や、日本の伝統文化に対する深い造詣を生かした歴史小説、現代小説など数々の作品を発表。

73年から40年以上書き継いだ時代小説「御宿かわせみ」シリーズはベストセラーとなり、幾度もテレビドラマ化、舞台化。
「はやぶさ新八御用帳」シリーズなどの捕物帖や、中国の古典に新たな息吹を吹き込んだ「西遊記」などで独自の小説世界を築き上げました。
60年代以降はドラマや演劇の脚本も執筆し、テレビドラマ「肝っ玉かあさん」（68～72年：TBS系）や「ありがとう」（70～75年：TBS系）、
大河ドラマ「新・平家物語」（72年：NHK）、「平岩弓枝ドラマシリーズ」（77～85年：フジテレビ系）など、数々のヒット作を担当。

時代劇専門チャンネルでは2013年、真野響子さんをはじめ30年ぶりにオリジナルキャストが再集結した「新・御宿かわせみ」を制作・放送いたしました。

1987年から20年以上にわたって直木賞選考委員を担当。
91年に「花影の花」で吉川英治文学賞。98年に菊池寛賞。
97年、紫綬褒章受章。2004年、文化功労者。2016年、文化勲章受章。

ご逝去を悼み、心から哀悼の意を表します。