池波正太郎原作の国民的人気時代劇「鬼平犯科帳」を、 時代劇専門チャンネルでしか観ることが出来ない 「4Kデジタルリマスター版」による史上最高画質でお届け!
「鬼平犯科帳」に描かれている世界観は現代にも通じると思う。火盗改メ長官として高いプロ意識を持っている主人公を中村吉右衛門は実にリアルに自然に演じている。一話一話における演出時の「間」も素晴らしい。プロ意識が高い「間」なのだ。私が描いている劇画の鬼平もこの「間」を大切にしている。青年のみならず中高年でもプロ意識がなく呆れる行動が多い昨今、より高画質化された鬼平は、老若男女問わず観てほしい作品だ。
善人がつい、悪事に手を染め、悪人がつい、良い事をする。善悪が紙一重であるという池波先生の深い「生」への洞察が、「鬼平」にはあるんですね。映像化された「鬼平」の中でも、中村吉右衛門さんの鬼平が僕にとってベスト。一瞬の優しいまなざしや、一転して悪者をこらしめるときの怖さ、鬼平の持つ両面性が、映像からひしひしと伝わってくるんです。
四季折々の江戸情緒、悲喜こもごもの人間模様、そしてなにより善悪も清濁もあわせのむ池波鬼平の懐の深さがぐっと胸に迫ります。
人の情とは脆いものだ。それが及ぶのはせいぜい二人称までだ。決して三人称にまでおよぶことはない。しかし平蔵は断罪する悪人と、「俺、お前」の仲になる。三人称として相手を切り離すことが無い。そこに彼の振る舞いの、強さと美しさがある。若い頃、鬼平犯科帳を見て、医者としての振る舞いの手本にすべく、何度も心で模倣したものだ。
"鬼平"の物語の中に生きる人々の、何気ない日常の中に紡がれている数々の心温まる出来事は、時代を超えて、日々急ぎ足で生きがちな私の時間を少しの間休め、癒してくれます。そして、様々な悪事を働く盗賊たちを次々とお縄にする"鬼平"の活躍に爽快な魅力を感じます。しかしその一方で、本来は憎むべき"悪の心"を持つ盗賊たちに、なぜか不思議な情を覚えてしまう自分もいるのです。"鬼平"の言葉が聞こえてきます。「それも人間というものよ。」
僕は鬼平犯科帳、剣客商売、藤枝梅安を読む、観る、から今、なるべく離れて暮らしています。嫌いになったのか?その逆なのです。初めて長谷川平蔵に、秋山小兵衛に、藤枝梅安に接した時の、あの胸の高鳴りを少しでも取り戻すべくあれだけ愛読した『鬼平断ち』を敢行している最中なのです。それも最早限界であります。今回の時代劇専門チャンネルが僕の『鬼平復帰』になるかもしれません!
【5月の放送作品】
#15 見張りの見張り 5月 1日(日) あさ10時
#1 鬼火 5月 8日(日) あさ10時 #2 瓶割り小僧 5月15日(日) あさ10時 #3 穴 5月22日(日) あさ10時 #4 眼鏡師市兵衛 5月29日(日) あさ10時
【6月の放送作品】
#5 はぐれ鳥 6月 5日(日) あさ10時 #6 おれの弟 6月12日(日) あさ10時 #7 同門対決 6月19日(日) あさ10時 #8 影法師 6月26日(日) あさ10時
「鬼平犯科帳」に描かれている世界観は現代にも通じると思う。火盗改メ長官として高いプロ意識を持っている主人公を中村吉右衛門は実にリアルに自然に演じている。一話一話における演出時の「間」も素晴らしい。プロ意識が高い「間」なのだ。私が描いている劇画の鬼平もこの「間」を大切にしている。青年のみならず中高年でもプロ意識がなく呆れる行動が多い昨今、より高画質化された鬼平は、老若男女問わず観てほしい作品だ。
善人がつい、悪事に手を染め、悪人がつい、良い事をする。善悪が紙一重であるという池波先生の深い「生」への洞察が、「鬼平」にはあるんですね。映像化された「鬼平」の中でも、中村吉右衛門さんの鬼平が僕にとってベスト。一瞬の優しいまなざしや、一転して悪者をこらしめるときの怖さ、鬼平の持つ両面性が、映像からひしひしと伝わってくるんです。
四季折々の江戸情緒、悲喜こもごもの人間模様、そしてなにより善悪も清濁もあわせのむ池波鬼平の懐の深さがぐっと胸に迫ります。
人の情とは脆いものだ。それが及ぶのはせいぜい二人称までだ。決して三人称にまでおよぶことはない。しかし平蔵は断罪する悪人と、「俺、お前」の仲になる。三人称として相手を切り離すことが無い。そこに彼の振る舞いの、強さと美しさがある。若い頃、鬼平犯科帳を見て、医者としての振る舞いの手本にすべく、何度も心で模倣したものだ。
"鬼平"の物語の中に生きる人々の、何気ない日常の中に紡がれている数々の心温まる出来事は、時代を超えて、日々急ぎ足で生きがちな私の時間を少しの間休め、癒してくれます。そして、様々な悪事を働く盗賊たちを次々とお縄にする"鬼平"の活躍に爽快な魅力を感じます。しかしその一方で、本来は憎むべき"悪の心"を持つ盗賊たちに、なぜか不思議な情を覚えてしまう自分もいるのです。"鬼平"の言葉が聞こえてきます。「それも人間というものよ。」
僕は鬼平犯科帳、剣客商売、藤枝梅安を読む、観る、から今、なるべく離れて暮らしています。嫌いになったのか?その逆なのです。初めて長谷川平蔵に、秋山小兵衛に、藤枝梅安に接した時の、あの胸の高鳴りを少しでも取り戻すべくあれだけ愛読した『鬼平断ち』を敢行している最中なのです。それも最早限界であります。今回の時代劇専門チャンネルが僕の『鬼平復帰』になるかもしれません!
【5月の放送作品】
#15 見張りの見張り
5月 1日(日)
あさ10時
【5月の放送作品】
#1 鬼火
5月 8日(日)
あさ10時
#2 瓶割り小僧
5月15日(日)
あさ10時
#3 穴
5月22日(日)
あさ10時
#4 眼鏡師市兵衛
5月29日(日)
あさ10時
【6月の放送作品】
#5 はぐれ鳥
6月 5日(日)
あさ10時
#6 おれの弟
6月12日(日)
あさ10時
#7 同門対決
6月19日(日)
あさ10時
#8 影法師
6月26日(日)
あさ10時