今を去ること1200年の昔、桓武天皇（木下ほうか）は、憤死した弟・早良親王（萩原聖人）の祟りを恐れ、その怨霊を将軍塚に封じ込めると共に長岡京を捨てて、新たな都・平安京へ遷都することとした。それより150年の歳月が過ぎたが、平安の都は、闇が闇として残っており、鬼、妖怪、怨霊といった魑魅魍魎が跋扈していた。そんな魍魎に対して法術を駆使して調伏する者たち、それが陰陽師であった。中でも安倍晴明（野村萬斎）は当代随一の実力者として一際声望が高かった。時の帝（岸部一徳）と左大臣の娘・任子（国分佐智子）の親王・敦平が誕生し、都は沸きかえっていた。だが、晴明は右近衛府中将・源博雅（伊藤英明）から、敦平に呪いがかけられてしまったとの知らせを受ける。晴明は調べるうちに、祐姫（夏川結衣）とその父である右大臣・藤原元方（柄本明）、さらにその背後に控える陰陽頭・道尊（真田広之）の存在に行き着くが……。

太陽が黒くなる「日隠れ」がおこった後、宮中に出現した鬼によって、次々と人が襲われ、すでに４人の犠牲者が出ていた。しかも襲われた人々はいずれも体の一部分を食いちぎられていたという……。右大臣・藤原安麻呂（伊武雅刀）の依頼を受けた右近衛府中将・源博雅（伊藤英明）が陰陽師・安倍晴明（野村萬斎）を訪れる。安麻呂には類まれな美貌を持ちながら男装に身を包んだ日美子（深田恭子）という娘がいた。だが日美子は、夜な夜な夢遊病のように都を徘徊するという。話を聞いた晴明は博雅に対して「何も案ずることはない」と断言するが、安麻呂が何かを隠していることを悟った。同じ頃、都にはどんな傷や病もたちまち治してしまう、術師・幻角（中井貴一）が現れる。果たして幻角の目的とは？安麻呂が隠してこととは？京の都に平和は訪れるのか！？