「悪役」──。
その存在の持つ蠱惑的な引力は、時として主役を喰らうほどの魅力を持つ。
主人公と対立する立場でありながらも、惹かれずにはいられない魅力を湛えた美しき悪役たちの登場する作品を特集。
6月1日(日)・ 6月8日(日)よる7時
各2作連続放送
出演:勝新太郎/成田三樹夫/岩崎加根子/山本学/丸井太郎 ほか
市(勝新太郎)は江ノ島に向かう船のなかで十文字糺と名乗る旅の浪人(成田三樹夫)と出会い、お互い無類の将棋好きであることから意気投合する。江ノ島についた先で、船中で市のイカサマ賭博に引っ掛けられた江島屋一家と喧嘩になり、返り討ちにしたものの、旅芸人の女・お種(岩崎加根子)が連れている子供・ミキ(藤山直子)に怪我を負わせてしまう。市は十文字の計らいで金を工面することができ、無事薬を手に入れる。薬が効いてミキは回復、箱根に湯治に出かけた先で、市は父の敵を追って旅をする胸を病んだ侍・佐川友之進(山本学)とその妹の粂(林千鶴)、従者の六平(丸井太郎)と知り合う。彼らの父は旅先で、将棋の揉め事から浪人者に斬られてしまったという。市は次第にその犯人が十文字でないかと疑いはじめる……。
出演:市川雷蔵/天知茂/藤村志保/工藤堅太郎/島田竜三/遠藤辰雄/上野山功一/香川良介 ほか
眠狂四郎(市川雷蔵)は、居酒屋である事件の話を聞いた。江戸で1、2を争う油問屋弥彦屋へ白昼、浪人・愛染(天知茂)が忍び込み、ランプ燈に使う油精製の原理が書かれた図録が盗まれたという。それは大塩中斎とその息子によって研究されていたもので、父子はその権利を一万両で譲り、貧民救済資金に充てるつもりであったが、商人の裏切りに遭い、大塩父子の首は河原にさらされることとなった。愛染(天知茂)は父子を死に追いやった張本人・老中水野忠邦への恨みを晴らすべく、江戸を火の海にしようと企てていたのであった。狂四郎は愛染一味と対決する!
出演:千葉真一/沢田研二/真田広之/佳那晃子/室田日出男/丹波哲郎/緒形拳/若山富三郎 ほか
寛永15年。12万の幕府軍によって島原の一揆勢はことごとく惨殺され、若き総大将・天草四郎時貞(沢田研二)もその首をさらされた。その夜、聖なる教えをかなぐり捨て、悪魔の力を自らのものとし、雷鳴と共に黄泉の国から蘇った四郎は、黒魔術で細川ガラシャ(佳那晃子)の霊を呼び出し、その肉体を復活させる。宮本武蔵(緒形拳)、宝蔵院胤舜(室田日出男)、伊賀の霧丸(真田広之)ら稀代の兵法家たちも理由は様々だが、自分のやりたいことをするために蘇り"魔界衆"に加わってきた。四郎は、細川ガラシャの霊が乗り移ったお玉を大奥に送り込み、お玉の色香に溺れた家綱を意のままに操り始める。一方、魔人たちは、天下一の剣術家を倒すべく、諸国修行の旅を続ける柳生十兵衛(千葉真一)に次々と襲いかかる。そして、死闘の果てに魔人たちを倒した十兵衛の前に、死んだはずの父・柳生但馬守宗矩(若山富三郎)が現れた…。
出演:安田道代(現・大楠道代)/田村正和/小山明子/佐藤慶/岸田森 ほか
娼婦から芸者、そして大名(岸田森)の側室にまでなったお銀(安田道代/現・大楠道代)は、今また新たに野望を燃やしていた。それは、大名春藤の正室が男子を産む前に暗殺し、自分の息子を世継ぎにすることだ。絶世の美男・磯貝伊織(田村正和)と組み、お銀はその体を武器に一国を乗っ取ろうと計画を進める…。