ぺリーのちょんまげ

「鬼平犯科帳」鬼平も、丹波が演じるひと味違う。どこか超然とした「ボス」と火盗改め方の大活躍。

掲載2003年12月31日

(おにへいはんかちょう) 1975年

 とにかく出だしから、丹波哲郎カラー。「ルパン三世」などの音楽でおなじみの山下毅雄のスタイリッシュな曲に乗せて、イラスト化された丹波鬼平がポーズを決める。タイトルも横書き。スパイ映画のようなのである。思えば、製作されたのが75年。ということは、あの「Gメン75」と同時期ってこと!? Gメンと鬼平をいっしょにやっていた丹波もすごいが、時代劇なのにその「ボス」っぽさがそのままというのもある意味新鮮。本来、江戸の情緒や味を追及していた作品だが、この鬼平は、事件解決のスピード感が光っている。立ち回りもものすごくスピーディである。小難しい動きはなしでタタタッと斬る。これもまた、この主役らしい。
 しかし、なかなか粋な人物でもあり、ドジな部下・木村忠吾(古今亭志ん朝)を可愛がり(ちなみに同心役で丹波義隆も出演)、行き着けの軍鶏鍋屋の女の子にも慕われる。第一話「用心棒」ではヒゲばかり立派で剣はからきしの浪人・高木軍兵衛(ハナ肇)を密かに助け、手柄とさせた上に「昼間ブラブラしてないで修行しろ」と道場まで世話するのである。軍兵衛は後に、鬼平の人柄を讃えるとともに「怖い人だ」と評する。優しさと厳しさの同居したのが鬼平の味なのだ。
 エンディングでは、また山下音楽ならではの口笛も堪能できる。ユニークな鬼平。

( 書き下ろし )

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ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。

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