ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2021年02月12日

「忍ジャニ参上!未来への戦い」
関東忍者に負けへん!ジャニーズWEST、関西ジャニーズJr.ら出演の青春忍者アクション
走る!跳ぶ!投げる!若林豪、京本政樹らベテラン陣の登場シーンにも注目

(にんじゃにさんじょう!みらいへのたたかい ) 出演者:重岡大毅/小瀧望/平野紫耀/神山智洋/向井康二 ほか  2014年

掲載2021年02月12日

 西の若き忍び・カザハ(重岡大毅)、フウト(小瀧望)、ホウジ(平野紫耀)、ソラ(神山智洋)、キスケ(向井康二)ら5人は厳しい修行を積んできたが、泰平の世に忍びはいらないと、解散を言い渡されてしまう。彼らは、火付け、辻斬りを成敗する「義賊」となって名を売り、とある藩に雇われようと考える。ある晩、東の忍び2人組のハヤテ(森本慎太郎)、カゲマル(京本大我)と遭遇した彼らは、明日山中を通る行列から書状を奪った東西どちらかの組が、郡山新田藩に雇われることになると聞く。フウトは「忍びのすることじゃない」「掟を破っていいのか」とカザハらの行動に反対するも、互いに自信満々の2組は、壮絶な争いをすることに。しかし、彼らの前には恐ろしい敵が立ちはだかる。

 映画公開は14年。当時、デビューシングル「ええじゃないか」がオリコンチャート初登場1位を獲得したジャニーズWESTと関西ジャニーズJr.らが出演。彼らは時代劇の本場・京都の山道を走り、木に登り、地で戦う。忍び刀の立ち回りも手裏剣技も真剣白刃取りも披露。黒い忍び装束で勢揃いすると文句なくカッコいい。ズッコケた笑いも織り込みつつ、平和な世に居場所のない忍びたちの苦悩も見せた。若林豪、京本政樹らベテラン陣の登場シーンも見どころのひとつ。現在、King & Prince、Snow Man、SixTONESとして活躍する面々の貴重な映像も満載の青春忍者アクション。

掲載2021年01月29日

「ぬけまいる~女三人伊勢参り~」
まだまだ捨てたもんじゃない!ワケアリ世代の人生見直しぶらり女子旅を描く
田中麗奈×ともさかりえ×佐藤江梨子と豪華共演陣が曲者ぶりを発揮した快作

(ぬけまいる~おんなさんにんいせまいり~ ) 出演者:田中麗奈/ともさかりえ/佐藤江梨子/福士誠治/大地真央 2018年

掲載2021年01月29日

 江戸日本橋の小物問屋の女主人・お蝶(田中麗奈)、独身で威勢のいいお以乃(ともさかりえ)、武家に嫁いだしとやか系のお志花(佐藤江梨子)は、かつて「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせた元"江戸の今どき娘"。だが、三十路になり、お蝶はバリバリ働くと「仕事出来過ぎ」と家族に敬遠され、お以乃は転職を繰り返す自分探しの日々。お志花は嫁いびりされ、息子にも侮られる辛い生活。そんな三人は、唐突に着の身着のままの「ぬけまいり」で伊勢を目指すことに。ところが出立早々、巡礼娘に化けた娘集団「おしゃま連」に騙されて無一文になり、箱根では関所破り!?身投げおじさんを救出!?次々と騒動が続く。

 お互いのワケアリの現実は、どれも現代にも通じる悩みばかり。原作者の朝井まかては、女の本音を描くのがうまい。泣いて笑って、風呂に入って、友情を確かめ合った三人。お蝶は持ち前の商才、お以乃は仕切り術、お志花は剣の腕で困難に立ち向かう。そして、桑名で再びおしゃま連が老人を騙そうとするのを見るや、娘たちに「その手は桑名の焼き蛤!!」と決めゼリフも決めて逆襲。実に気分爽快。しかも、いい男も現れて...。三人を見守る姐御(大地真央)、身投げ未遂のおじさん(舘ひろし)、粋な二枚目渡世人(滝沢秀明)ら、豪華な共演陣も曲者。仕事、家族、恋愛、もろもろ見直してみれば人生捨てたもんじゃない!痛快な女子旅日記。

掲載2020年09月25日

「任侠東海道」
次郎長を片岡千恵蔵、吉良の仁吉を市川右太衛門が演じた豪華東映オールスター時代劇
中村錦之助、大川橋蔵、東千代之介らも大活躍。クライマックスの荒神山の血闘へ!

(にんきょうとうかいどう ) 出演者:片岡千恵蔵/市川右太衛門/中村錦之助/大川橋蔵/大友柳太朗/東千代之介/月形龍之介 ほか  1958 年

掲載2020年09月25日

 清水の次郎長(片岡千恵蔵)は、子分の増川の仙右衛門(大川橋蔵)の伯父を殺し、女房もかどわかした沼津の三人組が甲州武居の安五郎(月形龍之介)の身内と知り、一家二十八人を引き連れて東海道の秋葉祭に乗り込んだ。地元の貸元・大和田の友造(大河伝次郎)に仲立ちを頼み、安五郎に掛け合う次郎長だが、三人の盃は水に返したと言われた上に安濃徳次郎(薄田研二)や丹波屋傳兵衛(進藤英太郎)らに罵声まで浴びせられる。甲州へと向かった桶屋の鬼吉(中村錦之助)の働きもあと一歩で及ばない中、縄張り争いや清水一家に対する悪だくみを悟った吉良の仁吉(市川右太衛門)は、安濃徳の妹である女房・おきく(長谷川裕見子)に三行半をつきつけ、清水一家を先導して、荒神山の血闘へと駆け付ける。だが、そこには飛び道具まで用意した多勢の敵が...。

 昭和の映画全盛期、ファンを沸かせた東映オールスター時代劇。三度笠に揃いの合羽が街道の景色によく映える。監督は松田定次、脚本は千恵蔵の「多羅尾伴内」で知られる比佐芳武、助監督に沢島忠。がっちりと手を組む千恵蔵、右太衛門の二大スターの貫禄はさすが。次郎長が仁吉を「富士の山にも似た男の中の男だった」としみじみ言うシーンが心に残る。錦之助、橋蔵とともに大政(大友柳太朗)、小政(片岡栄二郎)、大瀬の半五郎(東千代之介)らも颯爽とした男っぷり。月形、進藤に山形勲、吉田義夫ら悪役も勢ぞろいで荒神山の死闘を盛り上げる。

掲載2020年01月03日

「のみとり侍<R-15>」
阿部寛が女性に奉仕する商売に転職した堅物侍をコミカルに演じた異色作
「後妻業の女」の鶴橋康夫監督の40年来の夢の映画に豊川悦司、大竹しのぶらも集結!

(のみとりざむらい) 出演者:阿部寛/寺島しのぶ/豊川悦司/斎藤工/風間杜夫/大竹しのぶ/前田敦子/松重豊 ほか  2018年

掲載2020年01月03日

 ある日、殿様(松重豊)の逆鱗に触れ、「猫の蚤とりとなって無様に暮らせ!」と怒鳴られて、御家を追い出されるハメになった勘定方の堅物侍・小林寛之進(阿部寛)は、市井の女性たちに寝床でご奉仕をする「蚤とり」商売を始めることになった。商売の元締め夫婦(風間杜夫と大竹しのぶ)は寛之進が売れっ子になると見込む。着たこともない派手な着物で日中に町を歩き、声をかけられるとその家に入っていくのだと言われても戸惑う寛之進は、おみね(寺島しのぶ)に呼ばれたものの「下手くそ」と怒られる。彼は、浮気封じのため女房(前田敦子)にふんどしの中にうどん粉をまぶしつけられる商家の主人・清兵衛(豊川悦司)に指南を受けるのだった。

 監督は「後妻業の女」の鶴橋康夫。小松重男の短編集「蚤とり侍」に惚れ込み、40年来、映画化を熱望。本作では脚本も自ら書き上げ、その情熱に共鳴した阿部、豊川、大竹はじめ、貧乏にあえぎながらも父の遺した刀を守ろうとする浪人役で出演した斎藤工、田沼意次の桂文枝、その囲われ女の寺島、監督自ら出演を依頼したという前田らが集結した。

 やがて規制緩和の田沼時代の反動ともいえる規制強化の時代へ。おおらかな蚤とり稼業にも圧力がかかる。そしてラストは意外な展開に。好色もの物語の中に人間の優しさや業、愛嬌、男の友情も盛り込まれた異色作。

掲載2019年12月20日

「日蓮」
飢餓、疫病、地震に苦しむ人々を救おうと立ち上がった日蓮に降りかかる苦難
萬屋錦之介、田村高廣、丹波哲郎、松方弘樹ら豪華キャストで波乱の蒙古襲来の時代を描く

(にちれん ) 出演者:萬屋錦之介/田村高廣/岸田今日子/中村嘉葎雄/中村光輝/永島敏行/市川染五郎(二代目・松本白鸚) 1979年

掲載2019年12月20日

 父が勢力・領地争いに敗れて流罪になり、流人の子として孤独な毎日を送る善日丸は、仏門に入る。比叡山での厳しい修行や奈良、京都での寺巡りをしたが、既存の教えでは民の苦しみを救えないと感じた彼(萬屋錦之介)は、ある日、故郷・安房の山頂で自らの名を日蓮と改め、「われ日本の柱とならん」と叫ぶ。飢餓や疫病、地震などに苦しむ人々を救おうと辻説法を続ける日蓮のもとには、工藤吉隆(江原真二郎)はじめ、信者が集まるようになる。だが時の権力者北条時頼には受け入れられない。あわや断罪という時、日蓮は大竜巻に巻き上げられ、奇跡のように命拾いをした。やがて日蓮が予言したごとく蒙古軍が襲来。日本は大きな危機を迎え、執権・時宗(松方弘樹)らは混乱する。

 錦之介は物柔らかさとともに「いかなる迫害にも日蓮は一歩も引きません」という強さを見せる。そんな日蓮を「困った男だのう」と見つめる富木常忍(丹波哲郎)と妻(野際陽子)。この他、田村高廣、加藤武、松坂慶子ら豪華キャストが顔を揃える。善日丸を「はぐれ雲」などでも活躍した名子役・伊藤洋一が演じているのも見逃せない。ペリーが注目したのは、自らを「極道坊主」と言う弟子の行道(田中邦衛)。さまざまないきさつを経て、命がけで日蓮を守る行道には、武闘派・邦衛のカッコよさが見て取れる。日蓮の壮絶な人生をスペクタクル映像をまじえて描いた大作。

掲載2019年09月06日

「長崎しぐれ坂-榎本滋民作『江戸無宿』より-('05年星組 宝塚大劇場)」
江戸神田から長崎に流れ、再会したおさななじみ三人の悲しい運命。
轟悠、湖月わたる、檀れいの共演と出島の異国情緒、江戸っ子の気質も見もの。

(ながさきしぐれざか -えのもとしげたみさく「えどむしゅく」より-('05ねんほしぐみ たからづかだいげきじょう)) 出演者:轟悠/湖月わたる/檀れい ほか  2005年

掲載2019年09月06日

 伊佐次(轟悠)と卯之助(湖月わたる)は、神田明神の氏子で、祭りを楽しみにしていた幼なじみ。しかし、伊佐次は凶状持ちとなって、幕府の捜査が及ばない長崎の出島・唐人屋敷に逃げ込み、  卯之助は長崎奉行の手先となって、自分の手で伊佐次を捕縛しようと決心していた。そんなところにふたりをよく知るおしま(檀れい)がやってくる。おしまは堺の有力者の囲い芸者になっていた。運命に導かれるように再会した三人。しかし、昔のようにつきあうことはかなわない。そんな中、伊佐次の子分で無宿者らしゃ(安蘭けい)が、騙されて襲われ、恋人芳蓮(白羽ゆり)の前でこと切れる。命に限りがあることを悟った伊佐次は、危険を承知でおしまと江戸へ戻る決心をするが、待ち合わせの場所におしまは来なかった...。

 原作は榎本滋民の戯曲「江戸無宿」。唐人の可愛らしい娘たち、和洋折衷の衣装、「どぎゃんしたと?」「生きてはいかれんとよ」など長崎言葉の恋人たちの会話など、出島ならではの異国情緒とともに、伊佐次らが「神田囃子が聞こえる...」と回想する華やかな祭りの場面、祭り装束のいなせな江戸っ子気質など、見せ場も多数。「囲いの中でしか生きていかれない」無宿者と金に縛られるおしまはどこか似た者同士なのか...。男と女の哀しみにしぐれ雨が降り注ぐ。無宿者役で真飛聖、涼紫央、柚希礼音も出演している。

掲載2019年02月15日

「忍者武芸帖 百地三太夫」
走る!跳ぶ!斬る!歌う!若き真田広之と志穂美悦子らの魅力満載!
アクション監督・千葉真一。東映×JACの娯楽アクション巨編

(にんじゃぶげいちょう ももちさんだゆう ) 出演者:真田広之/蜷川有紀/志穂美悦子/丹波哲郎/夏木勲/火野正平/野際陽子/千葉真一 1980年

掲載2019年02月15日

 戦国乱世。秀吉は、腹心の甲賀・不知火将監(千葉真一)に命じ、伊賀山中の百地峠を襲撃させる。秀吉の狙いは、伊賀忍者殲滅と彼らの隠し金であった。この襲撃で、リーダーの百地三太夫(石橋雅史)ら一族は惨殺され、生き残ったのは三太夫の息子・鷹丸(真田広之)とおつうら子供たちだけ。甲賀は執拗に子を狙うが、鷹丸は海に逃れ、おつうは服部半蔵(夏木勲)に救われる。やがて成長した鷹丸は、隠し金の秘密が二つの短刀にあると知る。仲間が将監に捕らえられ、危機一髪のとき、助けに入ったのは、海の向こうで鷹丸と育った中国娘・愛蓮(志穂美悦子)だった。戸沢白雲斎(丹波哲郎)のもとで厳しい修行を積んだ鷹丸は、宿敵との戦いに突き進んでいくが...。

 80年公開当時のキャッチフレーズは「翔んでる奴 挑む奴 そして超えそうな奴」実際に真田は空中を舞い(もちろんワイヤーなし)、多くの敵に挑みかかり、馬で障害物を超える。有言実行のヒーローだ。技も「空中二刀流」「人間扇風機」「驚異のスパイダー作戦」「天守閣ダイビング」と、スタントなしで自ら演じ、主題歌まで歌った。チャイナドレスでヌンチャクを操る志穂美も超チャーミング。監督は「トラック野郎」など娯楽作の名匠・鈴木則文、アクション監督は千葉真一。細かい理屈は抜き!千葉の濃厚な悪役と東映とアクション集団JAC(ジャパンアクションクラブ)のパワーが気持ちいいほどに炸裂する。

掲載2019年01月04日

「眠狂四郎女妖剣」
大奥に怪しい影が忍び寄り、巻き込まれる狂四郎に女たちが迫りくる
根岸明美、久保菜穂子、藤村志保、春川ますみの妖しさと冴える「円月殺法」に注目

(ねむりきょうしろうじょようけん ) 出演者:市川雷蔵/藤村志保/久保菜穂子/根岸明美/春川ますみ/城健三朗 ほか  1964年

掲載2019年01月04日

 2019年に没後50年となる市川雷蔵の当たり役「眠狂四郎」。第四作の本作は、池広一夫監督肝入りの「ストロボ撮影」によって狂四郎の必殺技「円月殺法」の映像美が表現され、評判となった。また狂四郎の出生の秘密も明かされ、その虚無な生き方がより鮮明に描かれる。

 物語の発端は狂四郎がある朝、全裸の美女ふたりの死体を目撃したこと。ふたりが大奥の女中であることを告げた男鳥蔵(小林勝彦)は、妹の小鈴(藤村志保)と捕らえられた。大奥には豪商の悪だくみでアヘンが蔓延し、残忍な姫が暗躍しているらしい。鳥蔵に自分と血のつながりがある尼僧が浜松にいると聞いた狂四郎はその姿を確かめに行くが、途中、鳥追い女に酒を飲まされ、目が見えなくなる。なんとか刺客を撃退し、浜松にたどり着いた狂四郎は、隠れ切支丹たちと出会う。彼らとともにいたのは、美しい切支丹の尼僧びるぜん志摩(久保菜穂子)だった。だが、そこには驚愕の秘密が...。

 大奥、アヘン、隠れ切支丹と眠狂四郎ワールドのキーワードが詰め込まれた内容で、狂四郎は巫女の根岸明美、鳥追いの春川ますみら美女に迫られる。そして「久しぶりだな」と現れたのは、城健三朗(若山富三郎)演じる刺客・孫陳!「俺に地獄に堕ちろというならもう遅い。俺はとっくに墜ちている」という狂四郎の美しくも虚しい生き方が雷蔵によく似合う。

掲載2018年08月24日

「信長協奏曲」
タイムスリップした高校生が信長になって本能寺の変!
小栗旬が信長と光秀、二役演じて話題になった人気シリーズ

(のぶながこんちぇると) 出演者:小栗旬/柴咲コウ/向井理/藤ヶ谷太輔/水原希子/古田新太/濱田岳/山田孝之 2016年

掲載2018年08月24日

 突然、戦国時代にタイムスリップしたお調子者の高校生サブロー(小栗旬)は、自分とうりふたつの織田信長に「病弱な自分に替わって信長として生きてくれ」と頼まれる。屋敷には生真面目男の池田恒興(向井理)や髭ヅラの熱血男柴田勝家(高嶋政宏)、妻の帰蝶(柴咲コウ)までずらりと揃っていた。武将としての常識も風格もゼロのサブローは、帰蝶に「うつけ」と呼ばれる始末。しかし、「やっぱ平和が一番でしょ」と戦国の常識にとらわれないサブローは不思議に家臣たちをまとめ、快進撃を続ける。だが、時を経て、あの「本能寺の変」が目の前に。その敵、光秀は頭巾で顔を隠した本物の信長だった。光秀は家臣や妻の心をつかむ偽物サブローを憎んでいたのだ。

 自分が持っていた歴史教科書で信長が討たれることを知って驚くサブロー。小栗旬は能天気な高校生と影のある光秀を演じ分ける。そして影があるといえば、山田孝之演じる羽柴秀吉。信長に肉親を殺された恨みから、市(水原希子)の夫・浅井長政(高橋一生)を裏切らせる陰謀を仕掛けたのも秀吉だった。サブローはそんな秀吉を「サルくん」と呼んで信じたまま。大丈夫かサブロー?自分の運命を悟ったサブローに「結婚式を挙げよう」と言われた帰蝶。その恋の行方も気になる。意外過ぎる結末のカギを握るのは、なんとカッパ!? 最後の最後まで目が離せない展開。

掲載2018年04月27日

「人形佐七捕物帳」
「からくり見切ったぜ!」の決め台詞も颯爽と要潤佐七登場!
怪談めいた事件に江戸のモテモテ岡っ引きが挑む。

(にんぎょうさしちとりものちょう (しゅえん:かなめじゅん)) 出演者:要潤/矢田亜希子/三浦涼介/池田純矢/小木茂光 ほか 2016年

掲載2018年04月27日

 横溝正史の人気原作をドラマ化したシリーズ。神田お玉が池の佐七(要潤)は、名推理と男ぶりでモテモテの岡っ引き。第一話「羽子板娘」では小町娘が次々殺され、彼女らの姿を映した羽子板の首が切り裂かれていた...。第二話では、将棋名人の跡取り息子が誘拐され、長持ちの中から死体で見つかる。第三話では、角兵衛獅子の幽霊出現? そして第四話では弓道場の後継者を決める「通し矢」の前日、毒殺事件が起きる。いずれの回も奇怪な事件と人間の深い業が関わっているところが見どころ。ゲストも福士誠治、西村雅彦、麿赤兒、南野陽子など、善悪両方の役がうまい顔ぶれで、最後まで誰が下手人なのかわからない仕掛けになっている。

 脚本は近年、推理作家デビューした「横溝作品大好き」の稲葉一広らが原作を厳選し、練りに練ったものだけに、見せ場もたっぷり。中でも「からくり、見切ったぜ!」ときりっとカメラ目線の要潤が決め台詞を放つのは定番。要は「全話、表情を変えてみた」と語っているので、チェックするのも楽しい。佐七の子分"うらなりの豆六"は俳優・演出家としても注目される池田純矢、"巾着の辰五郎"は三浦浩一・純アリスの三男でミュージシャンとして人気の三浦涼介。焼もち焼きの女房(矢田亜希子)も加わった佐七ファミリーの茶の間の会話は大いに笑える。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。