ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2021年08月27日

「薄桜記」<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送
丹下典膳(市川雷蔵)と中山安兵衛(勝新太郎)、数奇な運命で結ばれた男の友情と愛と死
白い雪の中の壮絶な殺陣シーンは圧巻。カツライスと呼ばれた二人の代表作のひとつ

(はくおうき<4Kでじたるしゅうふくばん>※2Kだうんこんばーとにてほうそう ) 出演者:市川雷蔵/勝新太郎/真城千都世/三田登喜子/大和七海路/北原義郎/島田竜三 ほか  1959年

掲載2021年08月27日

薄桜記<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送
「薄桜記<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送」
©KADOKAWA 1959

 元禄七年。高田馬場の決闘にひた走る男、中山安兵衛(勝新太郎)を見かけた旗本・丹下典膳(市川雷蔵)は、彼の襷が気になり、追いかけるが、決闘の相手が同門の知心流の者たちだとわかり、その場を離れた。安兵衛は堀部弥兵衛の助けを借りて無事、勝利をおさめたが、同門を見捨てた形の典膳は、安兵衛との決闘を迫られる。それを拒否した典膳は破門された。ある日、典膳は上杉家の長尾竜之進の妹・千春(真城千都世)を野犬から助けたが、生類憐みの令もあり、発覚すれば一大事。その場を救ったのが、安兵衛だった。千春に心惹かれていた安兵衛だが、その後、典膳と千春が結ばれると知って、自らは堀部家の婿に。播州浅野家の家臣になる。一方、典膳は留守中に自分に怨みを持つ知心流の五人が妻を凌辱したことを知る。千春を守るため離縁を申し出た典膳は、兄の竜之進に斬られ、隻腕となり消息を絶つ。ちょうどその日、江戸城では赤穂藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷事件を起こしていた。

 典膳と安兵衛、不思議に絡み合う二人の友情。同じ作品でデビューし、カツライスと呼ばれた、よき友の雷蔵と勝だけに、キャラクターは違っても息が合う。五人に怨みを晴らすと誓った典膳。吉良家に縁のできた千春。忠臣蔵外伝の要素も。雷蔵が下げ緒を口にくわえて左手で刀を抜き放つ瞬間の美しさ、白い雪の中での壮絶な殺陣シーンは圧巻。

掲載2021年07月02日

「引っ越し大名!」
星野源が引きこもりなのに「引っ越し奉行」になっちゃった
実際にあった大名の引っ越しを笑いと涙と恋とチャンバラで描く土橋章宏原作映画

(ひっこしだいみょう! ) 出演者:星野源/高橋一生/高畑充希/小澤征悦/濱田岳/西村まさ彦/松重豊/及川光博 ほか  2019年

掲載2021年07月02日

引っ越し大名!
「引っ越し大名! 」
©2019「引っ越し大名!」製作委員会

 姫路藩は、突然、幕府に姫路から大分に国替え(引っ越し)を命じられた。藩士と家族、猫まで引っ越す費用は約二万両かかるが、藩にあるのはたった三千両。そんな大事の総責任者「引っ越し奉行」を命じられたのは、引きこもりの書庫番藩士・片桐春之介(星野源)だった。逃げ腰の春之介だが、体力だけはある幼なじみ(高橋一生)、前引っ越し奉行の娘で片付けのプロ(高畑充希)らと必死に働き、大きな犠牲を払う決断もする。そして、理不尽な幕府に怒り、「これは戦」と位置づけ、思い切った作戦を編み出していく。

 原作・脚本は「超高速!参勤交代」の土橋章宏、監督は「のぼうの城」の犬童一心、主題歌はユニコーン。共演に松重豊、小澤征悦、濱田岳など。及川光博の殿様も面白い。驚くのは、この引越しが史実ということ。痛快コメディだが、一大事の裏で泣いた人の思いも拾った脚本があたたかい。星野は、春之介が得意なそろばんも特訓。ペリーは公開時にインタビューした。「偉いからって特別扱いはダメ」と平等を大切にする春之介の人物像に惚れ込み、「こういう人いるいると思ってもらえるよう心掛けた」という言葉が印象的だった。クライマックスには、春之介のほのかな恋物語や、野村萬斎振付・監修の「引っ越し唄」、チャンバラもあり、見せ場が続く。高橋一生の大暴れが気持ちいい。当初、こどものような形の春之介のマゲは、奉行として成長すると変化するので要チェック。

掲載2021年05月14日

「氷川きよし特別公演」
第一部の芝居では氷川きよしが6キロの纏をふり、中村メイコ、勝野洋らと共演。
第二部のコンサートでは全16曲を歌い上げる。全力疾走の座長公演。

(ひかわきよしとくべつこうえん) 出演者:氷川きよし/中村メイコ/勝野洋/太川陽介/江藤潤/曾我廼家寛太郎/西寄ひがし ほか  2015年

掲載2021年05月14日

 国民的歌手・氷川きよしの魅力を余すところなく見せる明治座座長公演。今回放送される2015年公演は第一部が芝居「め組の辰五郎~きよしの大江戸千両纏~」、第二部が「氷川きよしコンサート2015in明治座」の二部構成だ。

 祖母のお信(中村メイコ)と二人で暮らす一本気な若者・辰五郎(氷川)は、弟子入りした指物師の家が火事で全焼。残された子が泣く泣く引き取られていく姿を見て、「おいらは火消しになる!」と宣言する。その姿を見たお信は感慨深げな顔。やがて辰五郎の出生の秘密も明らかになる。「火事と喧嘩は江戸の華」と正義感で突っ走る熱血辰五郎を周囲はあたたかく見守るのだった。この公演に際して、氷川は一日消防署長を務め、6キロの纏をふるためにジムに通ったと言う。中村、勝野らベテラン陣との共演、氷川自身が「感情があふれそうになる」と語った子役との別れの場面にもぐっとくる。人情味と爽快感ある物語だ。

 第二部ではリズム歌謡からオリジナル曲まで16曲を熱唱。この公演のためにデザインされた華やかな衣装、きよしトークももちろん健在。公演の合間に中村メイコから親友の美空ひばりさんの話をいろいろ聞き、ひばりさんとおそろいで買ったブローチをプレゼントされ、感動したという。公演当時、デビュー16年目を迎え、歌にも貫禄が感じられる。アーティストとしての成長を感じさせる公演だ。

掲載2021年04月16日

「明治座創業140周年記念ファイナル 氷川きよし特別公演」
第一部「銭形平次~きよしの平次 立志編~」で若き平次が再び明治座の舞台に!
第二部「氷川きよしコンサート2013 in明治座」でヒット曲とトークもたっぷり

(めいじざそうぎょう140しゅうねんきねんふぁいなる ひかわきよしとくべつこうえん) 出演者:氷川きよし/音無美紀子/勝野洋/太川陽介/岡まゆみ/曾我廼家文童/大信田礼子/伊東孝明 ほか  2013年

掲載2021年04月16日

 押しも押されもせぬ歌謡界のトップランナー、氷川きよし。2000年「箱根八里の半次郎」でデビュー以来、快進撃を続け、06年には「一剣」で見事日本レコード大賞を獲得、近年はロックやポップスなど多彩な楽曲を歌い、話題を集める。氷川の魅力を余すところなく堪能できるのが、03年から続ける座長公演。明治座での公演は、特に役者・氷川きよしの成長がしっかり確認できる内容になっている。「銭形平次~きよしの平次 立志編~」は、2011年の公演で父の遺志を継いで十手持ちになった平次(氷川)が謎の連続殺人事件に挑む。始まりは春の花見でにぎわう向島。一等席を占領する一行に場所を空けてくれと頼む平次は、横柄な態度の一行が白山藩の側室・お豪の方(岡まゆみ)の宴席だと知る。奉行所も手を出せない不条理に怒った平次は、十手持ちを辞めると言い出す。しかし、花嫁衣裳を着た若い娘がふたりも死体で見つかり、平次は再び動き出す。花嫁がからむ事件は、原作者・野村胡堂の得意ネタ。音無美紀子、勝野洋、太川陽介らベテラン共演者と氷川のやりとりにも注目したい。

 第二部では、大きな満月を背景に魂を込める「白雲の城」、華麗な衣装で会場を大いに盛り上げる「虹色のバイヨン」、尊敬する先輩の名曲を熱唱する昭和の歌シリーズなど歌い手としての魅力を存分に発揮。愛嬌たっぷりのきよしトークも舞台ならではの楽しみ。

掲載2021年03月26日

「幕末青春グラフィティ 坂本竜馬」
武田鉄矢が思う存分竜馬になりきり、ビートルズの曲を背景に幕末を疾走!
小室等の桂小五郎、井上陽水の伊藤博文、吉田拓郎の高杉晋作と異色のキャストにも注目

(ばくまつぐらふぃてぃ さかもとりょうま ) 出演者:武田鉄矢、夏目雅子 ほか  1982年

掲載2021年03月26日

 土佐藩内の激しい身分制度に憤る郷士の坂本竜馬(武田鉄矢)は、武市半平太(柴俊夫)、吉村虎太郎(原田大二郎)らとともに土佐勤皇党を結成した。だが、土砂降りの夜、藩を牛耳る吉田東洋(土屋嘉男)が暗殺され、竜馬は疑われることに。勤皇党を離れ、脱藩した竜馬は、長州の志士らと出会う。江戸で勝海舟(石坂浩二)を斬ろうと意気込んだ竜馬だが、べらんめえで豪快な勝にアメリカの話を聞き、考えを変える。土佐では履物にも身分差があったが、かの国では誰もがシューズを履くと知った竜馬は、仲間とともに革靴を履くのだった。

 芸能界随一の竜馬ファン武田自身が脚本を手がけて主演。ユニークなのはキャスト。竜馬と脱藩し、都会の娘たちに目を奪われる沢村惣之丞(島田紳助)、チリチリ頭で日本の未来を語る高杉晋作(吉田拓郎)、伊藤博文に井上陽水、大村益次郎にふとがね金太、桂小五郎に小室等、海援隊の二人も出演している。男くさい物語で、輝くのが女優陣。藩を抜ける竜馬を「やりたいことをやれ」「天下とるつもりでいってきや」と送り出し、悲劇的な最期をとげるお栄(真野響子)の美しさ、「顔にスケベエって書いてある」と竜馬に言い放つお竜(夏目雅子)の愛らしさは際立つ。また、「イエスタデイ」「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」など、全編ビートルズの曲を使い、ラストの暗殺シーンにはジョン・レノンの「イマジン」が流れる。中岡慎太郎は風間杜夫、佐々木只三郎を演じたのは、沢田研二だった。志に命をかけた若者たちの群像劇、80年代のテレビの勢いを実感できる長編。

掲載2021年03月19日

「氷川きよし特別公演」
2011年明治座公演の第一部の芝居「銭形平次~きよしの平次 青春編~」
第二部「氷川きよしコンサート2011 in 明治座」ライブ感いっぱいの公演を堪能!

(ひかわきよしとくべつこうえん だいいちぶ「ぜにがたへいじ~きよしのへいじ せいしゅんへん~」 だいにぶ「ひかわきよしこんさーと2011いんめいじざ」 ) 出演者:氷川きよし/大空眞弓/横内正/太川陽介/山田スミ子/西山浩司/比企理恵 ほか 2011年

掲載2021年03月19日

 演歌からポップス、ロックまでジャンルを超えた快進撃を続けるアーティスト・氷川きよし。彼のもうひとつの魅力を楽しめるのが、03年から続ける座長公演だ。

 第一部の芝居でいつも心掛けているのは、「誰もが楽しめる時代劇」ということもあり、今回は時代劇の人気者・銭形平次がまだ18歳のころ、自らの生い立ちを知り、十手持ちになるまでを描くオリジナルストーリー「きよしの平次 青春編」。もちろん平次の得意技といえば、銭投げだ。テレビドラマでは、大川橋蔵、風間杜夫、北大路欣也、村上弘明と歴代の平次が銭投げの技をそれぞれ工夫してきたが、ここではまだ経験が少ない若者平次で、母親(大空眞弓)から「銭は投げちゃダメ」と言われて育ったという設定のため、どう投げるのか、立ち回りも見ものだ。また、平次を慕う八五郎に西山浩司、あたたかく見守る同心に太川陽介、ライバルの万七役の脇知弘とともに、横内正、山田スミ子と共演陣も豪華。

 そして第二部はコンサート。「箱根八里の半次郎」など股旅演歌やオリジナルのヒット曲と、ほのぼのした手拍子ものの明るい曲で、新銭形平次誕生の祝い歌をイメージした「きよしの銭形平次」も飛び出す。コンサートならではのトークコーナーやこの公演のために用意された衣装、ステージと客席が近い明治座収録のライブ感も楽しみのひとつ。

掲載2020年11月27日

「螢草 菜々の剣」
直木賞作家・葉室麟が武家社会の矛盾と家族愛を描いた小説を映像化
泣き虫女剣士が宿敵と対決! 注目の女優・清原果耶の優しい美が輝く

(ほたるぐさ ななのけん ) 出演者:清原果耶/町田啓太/谷村美月/北村有起哉 ほか  2019年

掲載2020年11月27日

 豪商(本田博太郎)と結託して藩を牛耳る轟平九郎(北村有起哉)の陰謀によって父を亡くした菜々(清原果耶)は、武家の出であることを隠して、風早家の女中となる。ところが今度は、藩の不正を正そうとした風早家の当主・市之進(町田啓太)が轟に陥れられ、命の危機に。家族は屋敷からも追い出されてしまう。だが、菜々には剣の才能があり、人のいい剣術指南役のだんご兵衛(松尾諭)から動きを教わると、みるみる上達。こどもを狙う凶悪浪人を木の棒の一太刀で撃退する。やがて菜々はその細腕で、市之進を救い、父の仇を討つため、命がけの戦いに挑む。

 女剣士といえば、袴姿で勇ましいのが定番だが、袴どころか前掛け姿にほわほわした眉毛でおっとりした菜々は、よく泣く。両親との別れで泣き、市之進の妻・佐知(谷村美月)の最期に泣き、不正の証拠を生かせない無力な自分に泣く。原作は直木賞作家・葉室麟の時代小説。薄暗い道場で、静かに剣の型をおさらいする菜々のシルエットが美しい。2021年度前期の朝ドラ主演も決まり、注目される清原の強さと優しさが画面ににじみ出る。また、縁談も断って風早家のこどもたちを養う菜々を応援する、質屋のお舟(濱田マリ)や幽霊のような死神先生(石橋蓮司)、怪力のらくだの親分(宇梶剛士)らベテラン陣のコミカルな演技も楽しい。剣の品格と人情味が魅力の名シリーズ。

掲載2020年09月18日

「花戦さ」
親友である利休の命を奪った天下人・秀吉をギャフンと言わせて敵討ちをする!
実在した変わり者の花僧・池坊専好を野村萬斎が熱演。中井貴一の信長、市川猿之助の悪役・秀吉も見もの。

(はないくさ ) 出演者:野村萬斎/市川猿之助/中井貴一/佐々木蔵之介/佐藤浩市/高橋克実/山内圭哉/和田正人/森川葵 ほか  2017年

掲載2020年09月18日

花戦さ
「花戦さ」
©2017「花戦さ」製作委員会

 戦国末期、京都の六角堂には花で世に平安を願う「池坊」という花僧たちがいた。「池坊」の中でも、出世にも名誉にも興味がない「けったいな男」池坊専好(野村萬斎)は、異彩を放った花名人。織田信長(中井貴一)に請われて岐阜城の座敷に巨大な松を持ち込んで「大砂物」というダイナミックな花を披露した彼は、思わぬ失態をしたものの木下藤吉郎、後の豊臣秀吉(市川猿之助)に助けられる。その後、茶道で美を追求する千利休(佐藤浩市)と親友になった専好だが、利休は信長の後継者として天下人となった秀吉に切腹させられる。雨の中、利休のさらし首の前で読経する専好は、「花をもって世を正そうぞ」「これは戦や。花の戦や」と、封印していた自らの奔放な花をもって秀吉をギャフンと言わせ、敵を討つ決意をする。

 文禄三年(1594)、前田利家邸で幅7メートル超の「大砂物」を専好が手がけたという史実を基にした鬼塚忠の原作小説を、「JIN-仁-」で知られる森下佳子が脚色。監督は「山桜」の篠原哲雄、音楽を久石譲、題字を書家・金澤翔子が担当した。萬斎の専好は、眉毛や目線ひとつでとぼけたり、太々しさを出したりと表情が豊か。また、佐藤浩市の父・三國連太郎は映画「利休」で主演しており、父子二代の利休役。ドラマでの悪役が話題の猿之助が、金色の足袋で利休の頭を踏みつけ、利家(佐々木蔵之介)らに「利休の話はするな!!」と過激な乱心を見せて迫力。

掲載2020年08月28日

「びんぼう同心御用帳」
柴田錬三郎原作。時代劇史上もっともビンボーなヒーロー参上!
九人のこどもたちと愉快に暮らすやもめ同心を古谷一行が楽し気に演じる人情捕物帳

(びんぼうどうしんごようちょう ) 出演者:古谷一行/奥山佳恵/榊原利彦/高橋ひとみ/杉浦直樹 ほか  1998年

掲載2020年08月28日

 江戸町奉行所の同心・大和川喜八郎(古谷一行)は、やもめなのに家に九人の孤児を養うお人よし。おかげで超貧乏生活だが、喜八郎はこどもたちの成長をにこにこと見守っていた。そんな彼を助けようと上司である与力(杉浦直樹)の娘・千鶴(奥山佳恵)はこどもたちの世話を焼き、売れっ子芸者のおえん(高橋ひとみ)は差し入れを欠かさない。こどもたちも毎日「一つ、うそをつくまじ」などと決まりを暗唱し、年長の者が年少を助け、けなげに暮らす。そんな中、喜八郎は後輩同心(榊原利彦)らとともに殺しやかどわかしなど、難事件を探索することになる。

 第二話のタイトルは「母ちゃんなんかいらねえッ!」こどもの心の奥底には、親への思慕がある。また第八話は「初恋の日」ほのかな恋心、自立の悩みまであり、それが事件を複雑にしたりする。名推理と剣の腕で難事件を解決する喜八郎はじめ、こどもたちが得意技を活かして「江戸の少年探偵団」のごとく捕り物を手伝う姿が気持ちいい。いじめっ子も仲間に入れて大事な伝言をリレーして必死に走る姿には胸が熱くなる。古谷一行の楽し気な姿と子役たちの演技はみどころだ。

 原作は「眠狂四郎」「御家人斬九郎」で知られる柴田錬三郎。作家のこわもてムードやエロス描写が知られるが、洒落たユーモアと人情味あふれる異色作を忠実に映像化している。

掲載2020年02月28日

「藤田まことの丹下左膳4 彷徨う丑三つの花嫁 江戸城に渦巻く大陰謀!」
「姓は丹下、名は左膳!」名セリフも炸裂する人気長編の第四弾
藤田まこと×眞野あずさ「はぐれ」名コンビが女や子供を助けるために大奮闘

(ふじたまことのたんげさぜん4 さまよううしみっつのはなよめ えどじょうにうずまくだいいんぼう! ) 出演者:藤田まこと/眞野あずさ/橋爪功/田村亮 ほか  1994年

掲載2020年02月28日

 八代将軍・徳川吉宗の時代。矢場を営むお藤(眞野あずさ)を残して旅に出た隻眼隻手の剣豪浪人・丹下左膳(藤田まこと)は、賭場で無一文になる無頼暮らし。そんなころ江戸では、殺された花嫁が深夜彷徨うという「丑三つ時の花嫁」のウワサが広まっていた。町奉行・大岡越前(橋爪功)は、花嫁が客をとっていたとの話から、裏があると探索を始めるが、疑惑は江戸城の上層部にまでも及ぶ。一方、お藤が養うチョビ安危篤の一報を受けた左膳は帰り道で花嫁の幽霊駕籠に出くわす。柳生源三郎(田村亮)や謎めいた女(江波杏子)と知り合った左膳は、事件の核心に迫る。

 藤田×眞野といえば、藤田の代表作「はぐれ刑事純情派」の名コンビ。ぼんちおさむ、大場順らはぐれメンバーも出演。しかし、「はぐれ」ではしっとり清楚な女性を演じる眞野は、ここでは「神も仏もないもんかね、ちょっとあんた!」「あいよ!」と鉄火肌を見せ、クライマックスでは江波とともに悪人たちに立ち向かう大活躍。藤田は「姓は丹下、名は左膳!」待ってましたの名セリフとともに、「俺には嫌いなものがある。一つは弱いものいじめ、二つは女を泣かすやつ、三つは偉そうにふんぞり返ったやつ」と怒りをぶちまけ、悪徳商人らをぶった斬る。「山吹色の肴で飲む酒はまた格別」などと言う遠藤太津朗、長門裕之らゲストの腹黒演技も楽しみ。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。