ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2021年06月18日

「賞金稼ぎ」
オランダと薩摩に不穏な動き!? 将軍の影武者が真相を追う!
史上最高の殺陣の名手と称された若山富三郎主演のウエスタン調時代劇

(しょうきんかせぎ ) 出演者:若山富三郎/野川由美子/真山知子/片岡千恵蔵/鶴田浩二 ほか  1969年

掲載2021年06月18日

 幕府に最新式銃を売り込み、和親条約をと迫ったオランダの要求を将軍・徳川家重(鶴田浩二)は拒絶した。その後、オランダが薩摩を交渉相手にしたとの情報を得た家重は、影武者の錣(しころ)市兵ヱ(若山富三郎)を現地に送りこむ。途中、公儀隠密の陽炎(野川由美子)と、薩摩藩江戸家老・伊集院右京(片岡千恵蔵)の隠し目付・藤九郎(潮健児)と知り合った市兵ヱは、薩摩藩大目付にして過激な山嶽党を率いる掟山(天津敏)の動きを探る。しかし、桜島で山嶽党の女・茜(真山知子)に怪しまれ、命の危機に。陽炎も捕まり、薩摩の陰謀は止められるのか...。

 「約束通り、化けて出た」傷だらけでも立ち上がる市兵ヱは、跳びはね、転がり、斬り、銃をぶっ放す。荒野での決闘は、まさにウエスタン。史上最高の殺陣の名手と称された若山は、素晴らしい身のこなしを見せつける。一方、不敵に笑う悪役の天津敏の存在感はさすが。また、「市兵ヱ、会いたかった。あたいと逃げてくんやんせ」という茜を情熱的に演じる真山知子、見事な琉球踊りでオランダのカピタンを誘惑し、使命のために感情を抑える陽炎の野川由美子、ふたりの女の熱演も光る。「わが身を捨てても薩摩の陰謀を止める」と誓い、苦渋の決断をした伊集院と市兵ヱのクライマックスが、パーパラララ~と哀愁漂うトランペットの音色とともに心に残る。

掲載2021年06月11日

「戦国炒飯TV」
信長、蘭丸、官兵衛などなど時代劇でおなじみの面々が歌い、踊り、愚痴も言う!?
戦国武将の本音や裏話もいっぱい!歴史がなんとなく楽しく学べるバラエティ

(せんごくちゃーはんてれび ) 出演者:木津つばさ/山崎大輝/橋本祥平/滝澤諒/深澤大河 ほか 2020年

掲載2021年06月11日

 「歴史がなんとなく楽しく学べる新感覚のバラエティ」として若い世代を中心に人気を集めたこの番組。特長は、戦国武将がアイドルユニットを結成して音楽コーナー「ミュージックトゥナイトSP」で歌い踊ったり、兵衛ママ(黒田官兵衛)がママを務めるスナック「まげガール」、知名度の低い戦国武将が愚痴を言ったりする「戦国武将がよく来るキャバクラ」、つけヒゲや陣羽織などを通販番組「サウザウンド利休の戦国WABISABIもてなしショッピング」で紹介するなど、各コーナーがパロディでありながら、「史実はバッチリ踏まえている」ということ。

 また、どんな面白コーナーでも、全員がトークやセリフ、ダンスや歌をしっかり習得してキメて見せるのが、この番組のすごいところ。織田信長に仕えた森蘭丸ら小姓たちが結成したアイドルグループ「うつけ坂49」は、デビュー曲「黒い小姓」を熱唱。信長様の爪を10個揃えて捨てたいなどと小姓としての気配りを歌いあげ、信長と蘭丸によるアイドルユニットは、トークコーナーで自分に槍を刺した武将について文句を言う。武将がフリースタイルラップバトルを繰り広げる「戦フリースタイル」のコーナーには、黒サングラスの織田信長(武子直輝)や派手なジャンパーでポーズを決める足利義輝(ジェントル)らが出てくる...といった、あっと驚く武将たちの姿に笑って学ぶ。こんな歴史との接し方もあるんです。

掲載2021年05月21日

「小河ドラマ 徳川☆家康」
ついに松平健参戦!令和の家康時代劇に"本物家康"がタイムスリップしてドラマADに
気鋭のギャグクリエイター細川徹監督の「小河ドラマ」シリーズ第三弾に笑ってホロリ

(しょうがどらま とくがわ☆いえやす) 出演者:三宅弘城/松平健 ほか  2021年

掲載2021年05月21日

小河ドラマ 徳川☆家康
「小河ドラマ 徳川☆家康」
©時代劇専門チャンネル/カンテレ

 気鋭のギャグクリエイター・細川徹監督が偉人の史実をちっちゃく描いて笑える"非"本格派時代劇「小河ドラマ」。信長、龍馬に続く第三弾は、天下人・徳川家康に迫る。

 始まりは、1600年の関ヶ原。「天下を取った!」と喜んでいた徳川家康(三宅弘城)が、なぜか令和のテレビ局の会議室にタイムスリップしてしまう。そこでは念願のドラマ部に配属されてやる気満々だったディレクター(武田梨奈)が、松村邦洋(本人)にも主演を断られていた。その後、やっと決まったのは意外にも時代劇の超大物スター・白川新太郎(松平健)だった。日本刀を振り回して逮捕歴もある白川は、「やってやる本物の家康!!」と大張り切りで、ADとなった"本物家康"から聞き出したリアルなエピソードを活かしたドラマを目指すが、内容は地味でトホホな話ばかり。あの「三方ヶ原」敗戦後の「恥ずかしい話」も!?

 大きな葵の御紋の入ったトレーナーに、腰にはガムテと脇差というスタイルで現場を走り回る三宅の"本物家康"も面白いが、やっぱり「よろぴく~」「じゃ、ザギン行こうよ」「はい、打ち上げ!!」などと調子のいいことばかり言うシリーズの名物プロデューサー(山崎銀之丞)が面白い。なぜ、白川は出演を決めたのか。本物と白川の会話など、ホロリとする場面も。名前の中になぜ☆が?小河だからできる人物描写で家康の印象が変わるかも。

掲載2021年03月05日

「3人の信長」
信長が今川勢に捕まる!?しかも、三人いる!? 異色の謎解きコメディ戦国ドラマ
TAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳、それぞれ性格が違う「信長」が面白い

(さんにんののぶなが ) 出演者:TAKAHIRO/市原隼人/岡田義徳/相島一之/前田公輝/奥野瑛太/坂東希/髙嶋政宏 ほか  2019年

掲載2021年03月05日

 桶狭間の戦いで、主君・今川義元を討たれた今川の残党は、織田信長に深い恨みを抱いていた。その信長は永禄13年、金ヶ崎の戦いで敗走する最中、廃村に潜んでいた今川残党に狙撃され、捕縛された。が、信長は3人もいた!信長と名乗る甲(TAKAHIRO)、乙(市原隼人) 、丙(岡田義徳)は、着ているものもそっくりな上、クセまで同じ。性格は甲が「頭が切れる傾奇者」、乙「サムライらしいが天然」、丙「うつけに見え腹の中が読めない」と違うのだが、全員なかなかのくせ者。それぞれ自分が本物だと猛烈に主張する。元今川方の蒲原氏徳(髙嶋政宏)、瀬名信輝(相島一之)らは間違って影武者の首をはねたとなれば恥となるため、大いに困惑する。やがて宿願を果たしたい今川方と本物信長を守ろうと命をかける甲乙丙らの、あの手この手の騙し合いが始まるが...。

 脚本・監督はドラマ出演経験もある渡辺啓。初時代劇のTAKAHIROは「信長役にプレッシャーを感じた」と語るが、映画では「本物はだーれだっ」と相手を翻弄、「いつの時代も変わりもんが世の中を変えるってもんだ!!」と堂々と敵と渡り合う。その横で市原は背筋の伸びた武士っぽさを、岡田は信長のとぼけた強さを出し、各々個性の違う信長になっているところが面白い。主題歌を頭はオオカミ、体は人間というバンドMAN WITH A MISSIONが担当していることも注目点。

掲載2021年01月22日

「スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー~」
伝統ある京都の撮影所に、時代劇オタク技術者が最新映像機器を持ち込んで新企画スタート
悪戦苦闘しつつも作品作りに燃えるスタッフ、キャストの熱き魂を描く新感覚ドラマ

(すろーなぶしにしてくれ~きょうと さつえいじょらぷそでぃー~ ) 出演者:内野聖陽、柄本佑、中村獅童、水野美紀、本田博太郎、伊武雅刀、石橋蓮司、里見浩太朗 ほか  2019年

掲載2021年01月22日

 ある日、NHK技術者(柄本拓)から歴史ある京都の撮影所にNHKから新企画が持ち込まれた。海外育ちの彼は最新技術でコテコテの時代劇が撮りたいと張り切る時代劇オタク。撮影所所長(伊武雅刀)はじめ、監督(石橋蓮司)、キャメラマン(本田博太郎)らベテランスタッフが協議し、大部屋俳優シゲちゃん(内野聖陽)を主役に新選組ドラマを撮影することになる。とはいえ、アナログ人間のスタッフは、ドローンなど最新機器の扱いに戸惑い、ズッコケ連発。肝心のシゲちゃんも「殺陣は超一流だが、セリフはまったくダメ」という男で、結局、一言もしゃべらない近藤勇が斬りまくる展開に。最先端のハイスピードカメラとワイヤーアクションの「池田屋階段落ち」など名場面は、実現するのか!?

 私はたまたまこの撮影現場に居合わせた。現場は「水戸黄門」はじめ、数々の名作が撮られたオープンセット。すっと現れた内野は、大河ドラマの主役も演じた時代劇大好き俳優だけに、貫禄十分の近藤勇。ただし無言。殺陣も素晴らしく、試し斬りで水を入れた氷枕を斬るシーンは息をのむほどの美しさだ。そんなシゲちゃんは元アクション女優の妻(水野美紀)に頭が上がらず、大部屋の後輩(中村獅童)からも叱られるハメに。思わぬ結末になるコメディだが、その奥底にいい作品のために情熱を燃やす面々の熱き魂が感じられて、時代劇好きにはたまらない。気持ちいい新感覚ドラマだ。

掲載2021年01月15日

「サムライマラソン<PG-12>」
日本初のマラソン大会「安政遠足」の裏に藩取り潰しを狙う陰謀が!
秘密をもつ藩士ランナーの佐藤健はじめ、長谷川博己、豊川悦司ら豪華キャストによる大作

(さむらいまらそん ) 出演者:佐藤健/小松菜奈/森山未來/染谷将太/青木崇高/竹中直人/豊川悦司/長谷川博己 ほか  2019年

掲載2021年01月15日

 時は幕末。ペリー率いる黒船来航で日本中が大騒ぎになる中、「アメリカは和平ではなく、侵略を目論んでいる」と確信し、国を守るためには「心身の鍛錬が大切」という藩主・板倉勝明(長谷川博己)が率いる安中藩では、十五里の山道を走る遠足が開催されることに。「優勝者はどんな願いも叶えられる」という藩主の言葉を信じた藩士たちは張り切る。そんな中、芸術が大好きな雪姫(小松菜奈)は、江戸、さらには異国を目指すため、こっそり城を抜け出す。一方、行き違いから幕府はこの遠足を「謀反」と解釈。幕府大老・五百鬼祐虎(豊川悦司)は、安中藩を取り潰すべく、凄腕の刺客を放った。妻(門脇麦)にも上司(青木崇高)にも言えないある秘密を抱えた藩士・唐沢甚内(佐藤健)は、老中の陰謀を悟り、悩んだ末に密かに動き出す。そして、スタートの太鼓が鳴った!

 原作は「超高速!参勤交代」の土橋章宏。監督は「アンナ・カレーニナ」のバーナード・ローズ。日本初のマラソン大会といわれる安政遠足の史実をもとに、佐藤はじめ、傲慢な重臣の息子・平九郎(森山未來)、優勝候補の足軽(染谷将太)、心に痛みを抱えた老藩士(竹中直人)ら豪華キャストが疾走する。みどころのひとつは、多くの犠牲を出しながらも、まとまっていく藩士たちの姿と山野での激しい闘い。騎馬を駆使した緊迫感あふれるアクションを織り交ぜた大型エンターテインメント。

掲載2020年10月30日

「関の彌太ッぺ」
妹思いの心優しき男を人斬りに変えた残酷な運命を中村錦之助が魅せる
原作・長谷川伸、監督・山下耕作。美しい色彩、しみるセリフ満載の東映股旅時代劇の傑作

(せきのやたっぺ ) 出演者:中村錦之助[萬屋錦之介]/十朱幸代/木村功/月形龍之介/夏川静江/大坂志郎/安部徹/堀正夫 ほか 1963年

掲載2020年10月30日

 十年前、親と死に別れ、祭礼の最中に妹のお糸と生き別れてしまった渡世人の彌太郎(中村錦之助[萬屋錦之介])は、妹を探す旅を続けていた。途中、妹によく似た少女・小夜が川でおぼれかけたところを助けた彌太郎だが、妹のために大切にしていた五十両を盗人であるお小夜の父・和吉(大坂志郎)に盗まれてしまう。だが、和吉は森介(木村功)に斬られ、金を奪われる。瀕死の和吉は、彌太郎にお小夜を品川の旅籠「沢井屋」へ連れていってほしいと頼む。沢井屋はお小夜の祖父母の家だった。「おとっちゃんは」と聞くお小夜を「辛いことは忘れるこった」と励ましつつ、名前も告げず、送り届けた彌太郎。それから十年。苦労した糸が病死していたことを知った彼の心は荒み、人斬りと呼ばれる男になっていた。再会したお小夜(十朱幸代)に思わぬ危難が迫っていると知った彌太郎は...。

 原作は股旅ものの名作家、長谷川伸。監督は山下耕作。赤い風車、むくげの花、彼岸花、シルエットでみせる哀愁など、色彩の美しさは格別。十朱はふっくらとしたほほも初々しい娘・お小夜に。「どうか、お名前を」「渡り鳥に名前はありません」そのあとに続く、彌太郎の「たったひとつの願い」が切ない。人を思いながら、分をわきまえて身を引く彌太郎の心中が心に響く。明るい印象の錦之助が、凄みのある渡世人に見事に変化してみせた。昭和映画全盛期の股旅ものの傑作。

掲載2020年10月23日

「精霊の守り人Ⅱ 悲しき破壊神」
綾瀬はるか演じる女用心棒が守る少女には不思議な破壊力が!彼女に陰謀が迫る
人と精霊が共存する世界で戦いを続ける者たちを描く大河ファンタジー第二弾

(せいれいのもりびとⅡ かなしきはかいしん ) 出演者:綾瀬はるか/東出昌大/真木よう子/柄本明/橋本さとし/中村獅童/鈴木亮平/高良健吾/伊武雅刀 ほか  2017年

掲載2020年10月23日

 人と精霊が共存する異世界。父を殺され、短槍の遣い手である養父ジグロ(吉川晃司)に育てられた主人公の女用心棒バルサ(綾瀬はるか)は、実父の帝(藤原竜也)に狙われた新ヨゴ国の第二王子チャグムを守って旅をした。それから四年、父の敵・腹黒男ログサム(中村獅童)を狙ったことでお尋ね者となったバルサは、恐ろしい能力を秘めた少女アスラ(鈴木梨央)を守ることになる。ふたりの前に現れる怪しい女シハナ(真木よう子)。シハナの狙いは、アスラの力を利用してロタ王国の二枚目王弟イーハン(ディーン・フジオカ)を王にすること。一方、成長したチャグム(板垣瑞生)は、タルシュ帝国の密偵ヒュウゴ(鈴木亮平)に捕えられ、ロックスターのような帝国の第二王子ラウル(高良健吾)に「父を暗殺し、次の帝にならないか」と恐ろしい誘いを受ける。

 作家・文化人類学者の上橋菜穂子による原作は、野間児童文芸新人賞をはじめ、アメリカ図書館協会バチェルダー賞などを受賞。英語・スペイン語・イタリア語・中国語などに翻訳され、世界中にファンを持つ。NHKは大河ドラマで培ったノウハウと最新の映像技術を駆使し、4K撮影の実写ドラマとして制作。また、各国を参考に、架空の国の文化や生活を想定、衣装もセットもゼロから専門チームがデザインした。筋を通す綾瀬VS陰謀をめぐらす真木、ワイルドな衣装に身を包んだ身体能力抜群女優の戦いも大きな見どころ。大河ファンタジーの醍醐味が詰まった大作だ。

掲載2020年10月09日

「戦国自衛隊」
敵兵二万!若き自衛隊員が戦国時代へタイムスリップし、川中島の戦に挑む
戦車、ヘリを駆使した大規模ロケと体当たりアクション、主題歌も人気となったヒット作

(せんごくじえいたい ) 出演者:千葉真一/夏木勲/渡瀬恒彦/江藤潤/竜雷太/三浦洋一/成田三樹夫 ほか  1979年

掲載2020年10月09日

 日本海側での演習に向かっていた伊庭三尉(千葉真一)ら21名は、不思議な光に照らされ、戦国時代にタイムスリップしてしまう。長尾景虎(のちの上杉謙信・夏木勲〈夏八木勲〉)と出会い、「同族じゃ」と意気投合した伊庭は、最新兵器を駆使して景虎を助け、勝利を得た。やがて景虎と天下を狙いたいと考え始めた伊庭は、川中島で武田信玄(田中浩)率いる二万の敵兵と激突する。

 原作は半村良のSF小説。千葉真一がアクション監督を務め、広大なロケ地での大迫力のアクションシーンが続く。千葉は高速ヘリにロープ一本でつかまって飛び、武田勝頼役の真田広之は地上からヘリにぶら下がって操縦者を抹殺、味方が広げた旗に飛び降りるという離れ業を見せた。「俺たちの旅」で知られる鎌田敏夫が脚本化したことにより、各隊員のエピソードを追った群像劇になっているのも大きな特長。現代に恋人(岡田奈々)を待たせている菊池(にしきのあきら)、村娘・みわ(小野みゆき)と恋に落ちる三村(中康次)、武器を駆使して村人たちを襲う矢野(渡瀬恒彦)、伊庭もまた戦いのため現代に戻らないと宣言し、平和を望む部下と対立する。キャッチフレーズは「歴史は俺たちになにをさせようとしているのか?」終盤、景虎の微妙な表情の変化が武将の厳しさをにじませる。それぞれの末路は松村とおるの主題歌「戦国自衛隊のテーマ」ジョー山中の「ララバイ・オブ・ユー」とともに深い印象を残す。

掲載2020年10月02日

「勢揃い清水一家 次郎長売り出す」
松方弘樹の次郎長親分に水谷豊の森の石松など個性派子分たちが大暴れ
恋女房のお蝶(古手川祐子)との哀しい別れとともに清水一家が大きくはばたく姿を描く

(せいぞろいしみずいっか じろちょううりだす ) 出演者:松方弘樹/古手川祐子/水谷豊/石立鉄男/松村雄基/京本政樹/桂ざこば/真田広之/柏原芳恵 ほか  1992年

掲載2020年10月02日

 腕と度胸で売り出し中の若親分、清水の次郎長(松方弘樹)のもとには、元武士の大政(石立鉄男)、小政(松村雄基)、追分の三五郎(京本政樹)、法印の大五郎(桂ざこば)ら威勢のいい子分たちが集まった。そこにおっちょこちょいだがどこか憎めない森の石松(水谷豊)が現れ、一家に居座った挙句、ちゃっかり子分におさまる。そんな折、次郎長の兄弟分である森の五郎(渡辺裕之)が十手持ちの保下田の久六(石橋蓮司)と猿屋の勘助(菅貫太郎)のワナによって殺されたことがわかる。たった一人で敵討ちに向かった五郎の舎弟・浅吉(真田広之)を助けるため、清水一家は浅吉のもとに駆けつけるが...。

 「トラック野郎」シリーズの監督で知られる鈴木則文の原案を「太陽にほえろ!」の小川英らが脚色、「座頭市」「子連れ狼」の池広一夫が監督。前半は、男気あふれる浅吉の大立ち回りがみもの。白い着物を鮮血に染め、髪もざんばらの浅吉は、次郎長に「うちの親分のかわりに、きっと日本一の親分になっておくんなさいよ」と言い残して息を引き取る。後半は勘助を斬って凶状持ちになった清水一家の苦闘が続く。厳しい旅の中で、次郎長の恋女房・お蝶(古手川祐子)の病が悪化し、哀しい別れが訪れる。松方弘樹は迫力たっぷりの親分。石橋、菅の悪役ぶりもさすが。17年ぶりの時代劇出演となった水谷は、軽快な動きで笑わせる。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。