ぺリーのちょんまげ

必殺必中仕事屋稼業

掲載2000年11月07日

(ひっさつひっちゅうしごとやかぎょう) 1975年

 そば屋の半兵衛(緒形拳)と侍くずれの政吉(林隆三)は博打好きの飛脚屋、おせい(草笛光子)の下の殺し屋。剃刀の半兵衛と女用の懐刀を使う政吉。懐刀は、おせいが別れた息子に託したもの…。ギャンブルと殺し。ふたつの非情な世界を描き、必殺ファンを唸らせた名作。母と名乗れぬおせいの心情、幸薄い半兵衛の女房(中尾ミエ)の描写もすべてが絶妙。
 本作では、緒形拳も林隆三も、殺しに関してはどこか危なっかしいアマチュアだ。そのヒヤヒヤ感は、必殺シリーズのなかでは新しかった。筋立ても凝ったものがおおく、悪人を殺すのではなくて博打で”殺す”という痛快なもの。林隆三が転がり込む情婦の、芹明香のうらぶれたカンジ
”半ちゃん、元気?”
と、にじりよってくるオカマ岡っ引きの大塚吾郎、草笛光子の忠実な番頭で、実は元盗賊の岡本信人ら、ワキ役の充実ぶりも見逃せない。とくに工藤栄一監督が演出した最終回はお見逃しなく!

( 産経新聞掲載分に加筆 )

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ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。

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